研究課題/領域番号 |
26282046
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中山 実 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (40221460)
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研究分担者 |
西條 美紀 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (90334549)
六浦 光一 信州大学, 経済学部, 教授 (00106147)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メディアの活用 / 学習スキル / 自律的学修 / 指導法 / 効果測定 |
研究実績の概要 |
講義形式やグループ学習形式での学習事例を分析し、自律的学修のためのスキルを検討した。また、学習者の情意的分析手法を検討した。 (1)指導されているスキルの抽出と評価方法の開発:反転授業で、ソーシャルメディア利用の効果を検討するための自己評価のための調査項目を作成した。学習者に課題として与えた自己省察の記述評価と、学習者の思考スタイル、自己統制との関係を検討して、教授設計の効用を検討した。 (2)学習者の情動評価システムの開発:眼球運動によって情動を評価する手法を検討した。顔表情画像に対する眼球の振動が指標になることを確認し、脳波との関連性についても検討し、眼球運動の感情応答の機構を検討した。この現象を一般化するために、顔表情以外の画像を用いた場合でも、主観評価に依存して眼球情報が反応することを確認した。 (3)学習環境を考慮した指導法と学習効果の関係分析:学習効果に寄与する学習活動や学習者特性を検討した。ブレンディッド学習で学生が記録したノート内容から、ノート特徴量を抽出して学習活動の指標とした.これら学習活動やスキル獲得に関する学習者特性が,最終テスト得点に及ぼす効果を回帰分析による変数選択で抽出した。その結果、ノート特徴量が寄与することや、ノート記録の指導によって関係が顕著になることを確認した。 (4)言語情報に着目したスキル獲得の評価手法の開発:学習過程の記録であるノート記録の分析手法を開発し、それらの指標が学習活動に及ぼす効果を認知的、情意的な評価との関係で検討した。まず、前述のような学習成果との関係を明かにした上で、学習活動による自己効力感や理解や満足に関する自己評価との関係を因果分析によって検討し、ノート記録の活動が学習者の情意的な活動に寄与することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学でのICTを活用した授業として、ブレンディッド学習、フルオンライン学習に加えて、反転学習とソーシャルメディアを併用した授業での、学習者の省察と学習成果との関係を分析し、限られた調査結果ではあるものの、学習活動の充実が学習効果に関係していることを示した。 学習者の情意評価については、さらに実験で検討する。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の研究実施計画に従って、研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究協力者に依頼した調査データの集計が、年度内に終了しなかったため、予定していた評価作業の謝金に残金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
評価作業を次年度に継続し、繰越経費を充当する予定である。
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