研究分担者 |
合田 美子 熊本大学, 大学教育機能開発総合研究センター, 准教授 (00433706)
山田 政寛 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (10466831)
松河 秀哉 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (50379111)
畑 耕治郎 大手前大学, 現代社会学部, 教授 (50460986)
|
研究実績の概要 |
本研究では, Learning Ownership と社会共有調整学習理論に基づいた, インターネット上のオープン教育資源(Open Educational Resources)を活用したジグソー法反転授業支援システムの開発と評価を行うことを目的としている. 本研究の背景には, 近年, 外国語学習において, 授業外における言語接触機会を増加させる必要性が主張され,情報通信技術(Information & Communication Technology: ICT)が利用されているが, 実質的な外国語学習に結びついていないケースが多い. そこで, 教育の諸理論に基づいた授業内と授業外をつなげる総合的な学修環境のデザインが求められているおり, そのアプローチとして反転授業(Flipped Classroom)が期待されている. しかし, 効果的・効率的な学習のためには, 事前学習など学習段階において適切な支援が必要である.本研究の意義として, 開発したジグソー法反転学習支援システムを開発・運用することで, 効果的な反転授業支援が可能となることが挙げられる. 本研究により, 反転授業に関する研究と実践が広がり, より多くの教育機関で効果的な反転授業実践を普及する目指す. 平成27年度の目標は, 研究プロジェクト第1期(平成23年~平成25年)と平成26年の基礎調査及び平成27年のパイロット調査をふまえ詳細設計したシステムの開発を行い, 形成的評価を行うことであった. 形成的評価の結果, 期待される成果として挙げられた, システムによりExpert Group形成の負荷軽減, 外国語学習のために必要な学生間のインタラクションの質を向上させる可能性が示唆された.
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は, 開発したシステムを活用し, 反転ジグソー法について実践的評価および成果のオープン化に取り組む. 実践的評価では, 実際に外国語教育の授業においてジグソー法反転授業支援システムの評価を行う. 本評価では実験的評価で用いた項目に加え, 協調学習の効果について量と質の両面から評価を行う.また, システムのオープン化の取り組みでは, 外国語教育研究者だけではなく, 実際の教育の現場に立たれている教員にも活用してもらうための普及活動を行う.
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度では, 複数の実践フィールドでシステムを活用した実証実験を行い, 授業実践における教員の負荷をより軽減し, 学習成果が上がるようにシステムを改修することを予定している. そのための改修費として使用する. また, 研究成果普及のための公開および準備のための費用として使用する予定である.
|