研究課題/領域番号 |
26282058
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
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研究分担者 |
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 教授 (40318647)
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
西森 年寿 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90353416)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教育工学 / 高等教育 / アクティブラーニング / グループウェア / 協調学習 |
研究実績の概要 |
まず、そもそもの授業内でのグループ分けのあり方に関して、学生の選好を調査した。その結果、親しい人が少ないクラスでは教師が決める方法が好まれ、多い場合は学生自身が決める方法を好む学生もいることが分かった。また、選好はグループワークについての避けたい事態、期待、自信と関係することが示唆された。このような選好の違いにも配慮して、システム利用の評価を行う必要があることが分かった。 また、本科研開発のグループウェアOrchestrating Boardで、これまでに判明した不具合の修正を行い、さらに新機能として各グループのメンバーを一覧にして画面全面に表示させる機能、教師用にレポート一覧やメッセージ一覧を画面全面に表示させる機能、学生の出席時に行ったアンケートの結果に応じてグループ分けする機能、教師が手作業で行ったグループ分けをCSVファイルで一括入力する機能などを追加開発した。 次に、研究分担者が実施する講義でOrchestrating Boardを用いてグループワークを行い、授業の様子をビデオ撮影するとともに授業後にアンケートを実施した。受講者は第1回目が142名、2回目が154名であった。アンケートの結果、出席登録機能とグループ分け機能のスムースさが5件法で平均でおよそ4(ややスムース)、課題提出・閲覧機能がそれよりもやや劣るという評価であった。グループ分けに要した時間は12分であり、講師の体感によれば紙をつかった場合とほぼ同等である。実際に学生に使わせてみることで数々の問題点が明らかになった。 さらに、Orchestrating Boardのユーザインタフェースを見直し、統一性のあるデザインに一新した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
内容はほぼ計画通りに来ているが、2016年度は3名の研究分担者のうちの2名が在外研究で国内にいなかったこともあり、実験の回数としては研究当初に想定していたよりも少なくなった。 開発したグループウェアの機能および性能については、若干の不具合は判明しているものの特に大きな問題はなく、最終年度はさらに大規模な多人数講義にも使用できそうである。
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今後の研究の推進方策 |
まず、これまでに判明している不具合の修正を急ぎ行う。そして、研究分担者が担当する少なくとも2つの多人数講義でSounding Boardを用いたグループワークを実施し、効果を検証する。効果検証はグループ編成に要した時間などの客観的データと学生へのアンケートの主観評価を併用して行う。 効果検証と並行してSounding Boardの新機能開発も実施する。開発内容は必要度と予算を勘案して検討する。 得られた結果をまとめて、国内の学会の論文誌や国際会議に投稿する。 さらに、Sounding Boardの普及活動を行い、協力者を募って実際にSounding Boardを授業や講演会などで利用してもらう。その活用事例を収集して、ポイントを整理し、Web等で公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議、および国内学会に支弁予定であったが、他の経費を使って行ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議および国内学会での成果発表に使用する。
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