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2015 年度 実績報告書

聴覚障碍者の鑑賞支援のためのセンシング技術を用いたモバイルシアターのデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 26282061
研究機関多摩美術大学

研究代表者

楠 房子  多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)

研究分担者 溝口 博  東京理科大学, 理工学部, 教授 (00262113)
生田目 美紀  筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20320624)
稲垣 成哲  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードユニバーサルデザイン / インタクティブデザイン / ユーザビリティ / 聴覚障害 / センシング
研究実績の概要

平成27年度の成果は、以下にまとめられる。
前年度に引き続き、健常の子どもも聴覚障碍の子どもも一緒に楽しめる,可搬性の高い「モバイルシアター」についての開発及び,特別支援学校での実験を行い,その結果の分析から改良を行った。
①モバイルシアターの開発:(溝口)これまでに構築した試作のシアターシステムをさらに発展し,実際の人形劇を上演できるように可搬性や、ユーザビリティを重視した開発を行った。
①-1特別支援学校の実験に向けて、理解度を上げるために、スクリーン上のセリフの表示と人形の動作の精度を高めた。①-2制作したパペット人形の腕の動きが没入感を高めることがわかったので、腕の動きをさらに改良した。
②特別支援学校での実験及び分析評価(稲垣,楠,生田目):モバイルシアターのプロトタイプの実験を特別支援学校の児童を対象に行った。人形の細かい動きや激しい動きにも対応し,安定して計測が可能かどうかハードウェア・ソフトウェアの精度および,人形劇の人形とシナリオデザインの完成度を測定した。ユーザであるこどもたちのアンケートやインタビュー,撮影した映像から物語に没入できているかどうかの評価も検証した。
③最終年度にむけて、モバイルシアターの改良及びコンテンツのデザインの改良を行った(楠,溝口):プロトタイプの実験分析結果をもとに次年度に向けて改良を行った。制作には,特別支援学校の先生方の意見も取り入れた。今年度の成果から最終年度の最終実験の準備は整っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初は,特別支援学校での実験の前に、つくば技術大学の大学生を対象に予備実験を行う予定であったが、システムの開発が順調に進んだのと、特別支援学校のご厚意で、今年度末に特別支援学校で実施することができた。したがって、今年度までに開発したモバイルシアターの人形の細かい動きや激しい動きや、,人形劇の人形及びシナリオデザインを、聴覚障碍のある子供たちに、評価してもらうことができた。ユーザであるこどもたちのアンケートやインタビュー,撮影した映像から物語に没入できているかどうかの評価も検証できた。最終年度は、これらの分析からより完成度の高いモバイルシアターを開発し、再度特別支援学校で最終実験に臨む予定である。

今後の研究の推進方策

最終年度の28年度は以下の点を中心に研究を進める予定である。
①モバイルシアター台詞制御用ソフトウェアの改良(溝口):人形劇のシナリオとの台詞表示の整合性を高める。
②-1・②-2 モバイルシアターインタフェースの改良(溝口,楠):特別支援学校や小学校での教室での実験にむけて,昨年度の特別支援学校での実験の分析をもとに、精度を高め,複数の人形を用いるシナリオでの調整を行う。
③実証実験の実施及び分析評価(稲垣,生田目,楠,溝口):特別支援学級の子どもたちを対象に,開発したモバイルシアターによる人形劇の演目を公演する。情操教育的・デザイン的な分析を通して,社会的な波及効果も含めた評価を行う。また複数の支援学校とも連絡をとり,モバイルシアターの評価をお願いする。また一般の子どもたち向けのワークショップを実施する。
④ 研究の成果と発表(稲垣,生田目,楠,溝口):実証実験の最終成果を国内外の学会で発表し,特別支援教育における学習支援のアプローチを提言する。また成果を論文化して国内外で公表する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用金額が生じた理由は、以下である。
今年度、計画では、つくば技術大学の大学生を対象に予備実験を行う予定であった。システムの開発が順調に進んだのと、特別支援学校のご厚意で、今年度末に特別支援学校で実施することができ、予備実験を行わなかったため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

最終年度の28年度の予算計画は以下の3点を中心に進める予定である。
①モバイルシアターインタフェース及びソフトウェアの改良費用②実証実験の実施:特別支援学級の子どもたちを対象に,開発したモバイルシアターによる人形劇の演目を公演する。最終年度なので複数の支援学校とも連絡をとり,モバイルシアターの実験評価をお願いする。③研究の成果の国内郊外での発表費用:実証実験の最終成果を国内外の学会で発表し,特別支援教育における学習支援のアプローチを提言する。また成果を論文化して国内外で公表する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Puppet Show System for Children With Hearing Disability:Evaluation of Story Participation Function With Physical Movement2015

    • 著者名/発表者名
      Egusa, R., Nakayama, T., Nakadai, T., Kusunoki, F., Namatame, M., Mizoguchi, H., & Inagaki, S.
    • 雑誌名

      proceedings of Global Learn 2015

      巻: 1 ページ: 482 487

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] A Full-Body Interaction Game for Children with Hearing Disabilities to Gain the Immersive Experience in a Puppet Show2015

    • 著者名/発表者名
      Egusa, R., Nakadai, T., Nakayama, T., Kusunoki, F., Namatame, M., Mizoguchi, H., & Inagaki, S.
    • 学会等名
      SocialEdu2015
    • 発表場所
      Stanford University、CA,USA
    • 年月日
      2015-08-18
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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