研究課題
本研究では、基盤技術産業=金型工業、鋲螺工業、ベアリング工業、自動車部品、繊維機械工業を対象として国際分業に関する実態調査を行うことを目的としているが、本プロジェクトの最終年度として、これまでの実態調査の補足調査を含めて調査研究を進めてきた。本年度の調査で明らかになったことは以下の主に以下の2点である。第一に、生産のアジア化が進展している中で、日本の製造業の実態をみると自動車産業が国際競争力を依然として有しており、当該分野に関連する基盤技術産業も競争優位を維持しているということである。これは、例えば、中国をはじめとしてモータリゼーションが加速しているが、単に量的に拡大しているだけでなく、低燃費の自動車や高級車、あるいは排ガス規制への対応が迫られるなどの市場の変化に伴い、一層、日本の保有する技術が需要されているということである。また、アジア諸国の人件費も高騰していることから従来のように安い人件費を前提としたものづくりが成立しなくなり、自動化機械の導入が進んでおり、この点からも日本の製造技術が需要されており、これらの機械に必要不可欠な基盤産業もアジア諸国で新規の市場を獲得していることが明らかになった。第二に、一方で家電産業をはじめとする電気機器産業ではものづくりが装置産業化していることからアジアにおいてもそした装置を導入すれば完成品が出来てしまうことからこの分野においは日本の産業は競争優位を維持しがたく、自動車分野へシフトするあるいはソリューションビジネスに展開するなどの新たな動きが確認できた。第三に、繊維機械工業は、繊維機械自身はその技術が高く評価され、アジアにおいても非常に高いシェアをもっていることが明らかとなった。以上、自動車産業を中心に資本財産業は依然として競争優位を発揮しており、アジアにおけるものづくりのインフラ機能を維持していることが明らかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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科学史研究
巻: 第55巻第280号 ページ: 311-318
関東学院大学経済学会研究論集
巻: 第270集 ページ: 43-62
三田学会雑誌
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日本中小企業学会論集
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中小企業季報
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経営学論集
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