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2017 年度 実績報告書

ギリシャ数学文献の総合的分析

研究課題

研究課題/領域番号 26282066
研究機関大阪府立大学

研究代表者

斎藤 憲  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (10221988)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードギリシャ数学 / エウクレイデス / 古典ギリシャ語 / 依存文法
研究実績の概要

前年度に引続き,本格的な構文解析支援プログラムの実用的なバージョンの作成を依頼し,使用に耐えるバージョンが出来上がった.これと並行して,ギリシャ語とギリシャ数学の知識のある作業者を確保し,『原論』第9巻までの全出現単語の文法的記述を含む,プログラム内で利用される「辞書」を作成した.このプログラムと「辞書」を利用して『原論』第1巻から第3巻のテクストに対して研究代表者と,依頼した作業者とで議論を重ねつつ構文解析を行ったが,5千語余を解析した結果,当初の文法想定にない構文が少数ながら見つかり,文法規則の追加/訂正や辞書の修正だけでなく,プログラムの機能そのものの拡充が必要であることが判明した.このため今年度で研究を完了することが困難となり,研究期間を延長することとなった.
一方,海外の研究者との打ち合わせの中で,構文解析支援プログラムのギリシャ語以外の言語への適用可能性を議論した.実際に天文学関連の近世のラテン語文献に対して,試行的に辞書と文法規則を作成して構文解析を試みた結果は良好であり,本プログラムが,ギリシャ語のように語形変化によって単語の文法機能が明示される言語に対して,幅広い適用可能性を持つことが示された.
また,解析対象の言語の知識を持つ作業者は,幾つかの構文解析結果と簡単なプログラム操作方法の指示が与えられれば,かなり直観的にプログラムを利用して正しく構文解析作業を遂行できることも判明した.これは本プログラムの与える構文解析結果が,通常の読解における構文理解に近いものであることを示唆する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度までの遅れに続いて,実際の解析作業を行った結果,当初想定されていなかった構文が見つかり,プログラムの機能の拡充が必要となったため.

今後の研究の推進方策

構文解析を完全に遂行するために必要なプログラムの機能は判明しているので,早期に機能拡張したプログラムの納品を受けて,遅れを取り戻したい.昨年度に試行した,作業者による構文解析は,当初予定よりも短時間で進行したので,今年度で遅れのかなりの部分を取り戻せることが期待できる.

次年度使用額が生じた理由

本研究で最も重要な,構文解析支援プログラムの作成に予定外の時間を要し,さらに昨年秋に一応完成したバージョンで本格的な解析を開始したところ,解析対象の文章に,少数ながら想定していなかった構文が存在し,プログラムそのものの変更が必要となり,研究を終了することができなかった.30年度はプログラムを完成させ,構文解析をおこなう予定である.

次年度使用額の使用計画

30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] ギリシャ語数学文献構文解析における文法の定義および解析作業の現況2018

    • 著者名/発表者名
      斎藤憲
    • 雑誌名

      津田塾大学数学・計算機科学研究所報

      巻: 39 ページ: 184-190

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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