研究課題
最終年度のため,研究データの補足,研究総括のための調査研究,および成果の公表を行った。研究データの補足では,帯広市埋蔵文化財センター,美幌町博物館,幕別町ふるさと館,陸別町教育委員会,および千歳市埋蔵文化財センターに所蔵されている後期旧石器時代遺跡の黒曜石製石器の蛍光X線分析を実施した。また上士幌町嶋木遺跡の発掘調査と出土資料の分析を継続して行った。国際共同研究者であるミズーリ大学のジェフリー・ファーガソン博士とともに北海道の黒曜石産地を巡検し,化学組成分析(放射化分析)のためのサンプリングを行った。さらに,東北地方の黒曜石産地の放射化分析および蛍光X線分析を実施し,データを得た。研究総括のための調査研究では,上部旧石器時代の黒曜石調達行動の通時的変化を明らかにするため,ロシアザバイカルスク地方,アルタイ共和国の上部旧石器時代遺跡の行動論的石器分析を行い,北海道の分析データとの比較検討を実施した。上記の研究の結果は適宜学会発表と論文として公表し,また本科研の総合的な研究成果については,アルゼンチンで行われた国際学会で口頭発表を行った。アメリカ北部のニューベリーやメディスンレイク火山において黒曜石溶岩の地質調査を行い,黒曜石溶岩の内部構造の形成過程に関する新たな知見を得た。ロシア・カムチャツカ半島および東京都神津島の黒曜石溶岩,北海道東部リシリ溶岩の全岩化学組成分析を行った。特にカムチャツカ半島の黒曜石溶岩については,含水量のデータを加えてマグマ溜まりからの上昇過程を推定した。北海道白滝黒曜石溶岩を対象としたマグマの開放系脱ガス・酸化過程を解明するために顕微ラマン分光法を用いた解析を行った結果,溶岩表層に見られる黒曜石試料中の鉄チタン酸化物およびガラス部分は不均質な酸化組織を有することが明らかとなった。これらの成果は国際火山学会議などで研究発表を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 11件)
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