研究課題/領域番号 |
26282081
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
猪原 健弘 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80293075)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会システム / コンフリクト解決 / 状態遷移時間 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、平成26年度に開発した「遷移時間分析」の方法、および、既に開発済みの4つの分析方法(「提携分析」、「態度分析」、「選好変化分析」、「意思決定ルール分析」)の性質を明らかにするための数理モデル研究を実施、その成果を、雑誌論文(いずれも査読付き)3件と学会発表(いずれも国際学会)2件として発表した。
特に、平成26年度に達成できなかった、(1) 「遷移時間分析」の方法の有効性の確認についての数理モデル研究の成果発表と、(2) 「提携分析」以外の分析方法についての数理モデル研究と、各分析方法の計算機上のプロトタイプの実装と改良を行った。具体的な成果は、(1) は上記3件の雑誌論文のうちの1件(T. Inohara, State transition time analysis in the Graph Model for Conflict Resolution, Applied Mathematics and Computation, Volume 274, 1 February 2016, Pages 372-382.)として、また、(2) については、東京工業大学猪原健弘研究室ホームページ(http://www.valdes.titech.ac.jp/~inohara/GMCR/accomplishments.html)にてプロトタイプの公表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は研究の進捗が計画からやや遅れていたものの、海外研究協力者からうけた助言をもとに研究計画の方向性を再確認し、また、人件費により雇用したRAの研究補助の効果により、平成26年度までの遅れを取り戻し、当初研究計画通りの進捗に戻った。
研究成果の公表も進んでおり、当研究課題の研究はおおむね順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、5つの分析方法の統合のための研究を推進する。つまり、本研究で新たに開発する「遷移時間分析」の方法と、既に開発済みの4つの分析方法(「提携分析」、「態度分析」、「選好変化分析」、「意思決定ルール分析」)の統合を行い、コンフリクト解決のための包括的な分析方法を確立する。
この他の個別研究内容においては、平成27年度までの研究をさらに推進する。つまり、「『遷移時間分析』の方法の開発」では「遷移時間分析」の方法を使ったコンフリクトの分析例の蓄積を、「分析方法の数理モデル研究」では、5つの分析方法の性質を明らかにするための数理モデル研究を、「『コンフリクト解決のための方法論パッケージ』の実装と公表」では5つの分析方法の計算機上のプロトタイプの改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、「遷移時間分析」の方法の有効性の確認についての数理モデル研究の成果発表先を、当初予定していた国際学会発表から雑誌論文に変更したため、および、分析方法の計算機上のプロトタイプの実装と改良に必要な、RA雇用費と物品(パソコン等)の購入費が当初の予定より少額で済んだためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、平成28年度に予定している、5つの分析方法の統合のための研究に必要なRA雇用費と物品(パソコン等)の購入費、国際学会での成果発表に伴う費用、および、海外研究協力者に助言を受ける際に必要となる費用に充てる予定である。
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