研究課題
本研究課題では、(ア)「遷移時間分析」の方法の開発、(イ)分析方法の数理モデル研究、(ウ)分析方法の統合のための研究、(エ)「コンフリクト解決のための方法論パッケージ」の実装・公表という個別テーマを設定している。平成30年度は、平成29年度の研究計画として当初予定していたものの十分に進捗しなかった、(1)遷移時間分析の分析例の蓄積、(2)5つの分析方法の数理モデル研究、(3)5つの分析方法の統合方法の改良、および、(4)5つの分析方法の方法論パッケージとしての実装と公表を、研究期間を1年間延長して、実施した。(1)および(2)に関する実績としては、従来の「阻止(blocking)行動」に代わる新たな行動である「回避(avoiding)行動」を用いた遷移時間分析の方法の開発、および、その方法を用いた囚人のジレンマの状況の分析が挙げられる。(2)についての実績としては、(3)および(4)についての実績としては、本研究課題のWebサイト(http://www.shs.ens.titech.ac.jp/~inohara/GMCR/)において公表した、「社会システムの態度分析・合理性分析・効率性分析・安定性分析」の統合計算プログラムや「グラフモデルの提携分析と効率性分析」の統合計算プログラム、および、「社会的意思決定状況の安定性分析」計算プログラムが挙げられる。これらの計算プログラムにより、小規模なコンフリクトや社会的意思決定状況の統合的な分析が容易に実行可能になった。実際、例えば、3主体による「共有地の悲劇」の状況における効率的な結果の達成に対しては、利他的な行動が提携形成以上の効果を持つことが明らかになった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
平成30年度の研究成果として、「5候補者、5投票者、5代替案の社会的意思決定状況の安定性(H安定、N安定)分析」、「3主体、8結果(2×2×2の標準形ゲーム)の社会システムの態度分析(RDS, RDSE, RNE)、合理性分析(DS, DSE, Nash)、効率性分析、および、安定性(H安定、N安定)分析」を含む4つの計算プログラムの改良版を、上記のホームページにて公表。
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http://www.shs.ens.titech.ac.jp/~inohara/GMCR/