研究課題/領域番号 |
26282088
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
玉木 欽也 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40188420)
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研究分担者 |
佐久田 博司 青山学院大学, 理工学部, 教授 (10170630)
荒川 雅裕 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70288794)
朴 英元 東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90526485)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | システム工学 / シミュレーション工学 / PLM / AML / サービスサイエンス / IoT / スマートファクトリー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年、製品構造のメカに対して電気制御・ソフトの比重がますます高くなり製品開発業務プロセスが複雑化することに対応して、企業間や他部門間の多地点間を相互連携した製品開発プロジェクトを運用できるPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムの協働利用ができる基盤環境を研究開発することである。そのために次の3つの研究課題に取り組む:①製品構造(メカ・電気制御・ソフト)統合化PLM業務プロセスモデルの策定、②アプリケーション・ソフトウェア管理(ALM)をその業務プロセスモデルと対応づけた製品開発の進め方の探求、③各種ITツールをその業務プロセスに対応づけて多地点の大学研究室間での運用を目指して、クラウドサービス環境でのPLMシステム協働基盤環境の構築と、仮想PLM業務プロジェクトでの実証。 上記の研究目的に対応した、今年の研究計画に対して以下のような研究実績をあげることができた。 ①製品構造統合化PLM業務プロセスモデルの策定:昨年から行ってきた国内外の製造業・電機業界・ICT業界のPLM業務担当者に対する実態調査を精力的に継続できた。 ②ALMと対応づけた製品開発の進め方の探求:ALMに関しては、上記の実態調査と並行して精力的に継続できた。それにより、欧米の最新動向と、日本企業の比較調査を行うことができた。 ③PLMシステム協働基盤環境の構築:初年度から現在まで3社のPLMソフトウェアベンダーの協力を得ることができ、次年度以降の基盤が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前述した3つの研究課題は、それぞれ計画した以上の実績を達成していると判断できる。 ①製品構造統合化PLM業務プロセスモデルの策定:当初提案した製品構造の狭義のPLMにとどまることなく、新たな学術領域としてPSLM(Product and Service Lifecycle Management)を提唱し、国内外の学会発表を実現した。 ②ALMと対応づけた製品開発の進め方の探求:当初提案したALMの研究にとどまつことなく、接続機能をもつスマート製品、IoTさらにサービスサイエンスの応用技術研究に着手し、上記①のPSLM業務プロセスとの融合を図った。 ③PLMシステム協働基盤環境の構築:協働基盤の構築がほぼ整ってきたことにより、産学連携によるPSLMラボ構想を創生する準備ができ、近年、着目されているスマートファクトリーの研究にも関連づけて活動ができる体制が整ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実績をふまえ、当初掲げた次年度の研究計画をさらに発展させていきたい。 ①製品構造統合化PLM業務プロセスモデルの策定:新たな学術領域として提唱したPSLMの概念を、さらに実用性やその普及の進展を目指して、産学連携による「Global-PSLM研究会」を発足させていきたい。その研究会では、新たな学術領域の探求と共に、人材育成プログラムの研究開発にも取り組んでいきたい。 ②ALMと対応づけた製品開発の進め方の探求:上記①の研究成果との融合を図り、この人材育成プログラムの研究開発に向けても、この研究課題の成果を盛り込んでいきたい。 ③PLMシステム協働基盤環境の構築:PSLMラボ構想のグランドデザインとその要求仕様の研究に着手していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者 玉木欽也への基金の配分額に対して、一部未使用額が発生した。その主な理由として、PLMシステム協働基盤環境の構築として準備していた予算に対して、PLMソフトウェアベンダーの中に、今年度はアカデミーパートナーとしてのグラントを頂くいことができ、特別に無償化の対応をしていただいた。
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次年度使用額の使用計画 |
前述した新たな人材像として定めた「Global-PSLM」の人材育成プログラムの研究開発予算として有効に活用していきたい。
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