研究課題
本研究は,レーダ技術において,対象に近づきながら対象を詳細に計測する技術であるアクセシブルレーダ技術に焦点を当て,以下の3点の技術に着目した技術開発を行った.A.『パワーショベル等の掘削バケット前方探査用レーダの開発』では,製作したアンテナ一体型バケットを実機に装着し、実験フィールドにおいて掘削しながら50 cm前方からの反射体の反射波を確認できた.しかし,リアルタイムでの反射体の特定は困難であったため,イメージングベースの探査法を検討した.バケット周囲に超音波トランスデューサアレイを配置し,GPSに基づくバケットの3次元位置,姿勢の6自由度推定システムを開発し,1cm以下のリアルタイム位置推定精度を達成した.これにより,バケット一体アンテナによるレーダイメージングを可能とする.B.『RC構造物掘削用コアドリル前方探査用レーダの開発』では、開発した二重同軸円筒上の2点逆相給電スロットアンテナのアンテナ工作精度の問題により,コンクリート内の鉄筋の反射が計測できなかったため,アンテナ形状を製作しやすく,ドリル形状に合う単円筒タイプとし,円筒ステンレスパイプを加工したアンテナを製作した.実験により,コンクリート内で6cm前方からの鉄筋の反射波が取得できることを明らかにした.C. 『レーダ技術によるRC構造物中の鉄筋腐食評価法の開発』では,鉄筋を励磁コイルにより加振し,その鉄筋振動をレーダ変位計により非破壊計測する加振レーダ法を開発し,供試体実験を通じてかぶり4cmの鉄筋の振動変位が鉄筋腐食により増加することを確認した.また,塩害を受けたRC部材について,かぶりが26~70 mmの鉄筋の振動変位の計測を行った.その結果,主筋となるD22鉄筋において取り出した鉄筋の腐食減量と振動変位に正の相関が見られた.また,コンクリートの浮きの影響により,振動変位が大きくなることも確認できた.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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コンクリート工学年次論文集
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計測自動制御学会論文集
巻: 52 ページ: 538-544
10.9746/sicetr.52.538
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