研究課題/領域番号 |
26282094
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 高弘 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30324479)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ラム波 / レーザ超音波 / 画像化 |
研究実績の概要 |
前年度は,ファイバレーザを用いることで,所望周波数帯域の狭帯域弾性波を励振することを可能にし,周波数帯域で信号レベルが向上することを確認した.本年度は,弾性波の受信を非接触レーザドップラー振動計を用いた完全非接触による計測システムを構築した.非接触化による信号レベルの低下は,前出の狭帯域波発生手法により回避することができ,このシステムを利用することで,薄板内の損傷を画像化できることを確認した.さらに,高速計測手法を開発し,数秒での非接触損傷画像化を可能にした.これにより,本システムを利用した弾性波の計測によって,カメラのように損傷画像が得られることを示した. また,この画像化手法の原理を詳細に解明するため,半解析的有限要素法を用いたラム波伝搬の数値計算を行い,この画像化手法が発生する非伝搬モード(エバネッセントモード)の影響を受けており,損傷画像化分解能が波長限界を大きく超えるものであることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,実験的な検討による成果と数値計算による原理解明が順調に進展しており,今後の発展性のある結果も得られているため.
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今後の研究の推進方策 |
薄板だけでなく,パイプなどの複雑な形状の対象物にも適用できることを示す.さらに,弾性波の受信感度を向上させるため,レーザ干渉計による測定を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験的な研究以外に,数値計算による解析を進めたことにより,実験器具の購入にかかる費用が減少したため.
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次年度使用額の使用計画 |
これまでの研究で得られた適切な周波数に関する知見に基づき,その周波数帯域の弾性波の非接触受信に特化したレーザ干渉計の構築を行うため,実験器具を購入する.また,外部発表のための旅費に利用する.
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