研究課題/領域番号 |
26282102
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
千木良 雅弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (00293960)
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研究分担者 |
飛田 哲男 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00346058)
王 功輝 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50372553)
鈴木 毅彦 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (60240941)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 降下火砕物 / 地震 / 地すべり / ハロイサイト |
研究実績の概要 |
1)1949年今市地震による降下火砕物の調査を継続し、地すべりのすべり面の層準を明らかにした。1923年関東地震による地すべりダム(震生湖)個所の調査を行い、それが6万年から6万5千年前に箱根火山から噴出した東京軽石層にすべり面があることを明らかにした。また、東京軽石層は神奈川から東京にかけて広く分布することから、今後の地震時に崩壊する可能性があることを指摘した。 2)1949年今市地震、1923年関東地震、1968年十勝沖地震、1978伊豆大島近海地震、2011年東北地方太平洋沖地震などの時に発生した降下火砕物の層序学的検討を行い、また、簡易貫入試験結果と合わせて比較検討を行った。その結果、すべり面は軽石層内部あるいは、軽石層の下の層に形成されていること、また、それらはハロイサイトに富む層であることが明らかになった。 3)2011年東北地方太平洋沖地震で発生した白河市葉ノ木平の崩壊のすべり面形成粘土について、CU三軸試験、CU中空ねじり単調載荷試験、CU中空ねじり繰り返し載荷試験を行った。その結果、粘土の強度は、載荷速度に依存し、載荷速度の大きくなるほど増加することがわかった。さらに、斜面に対する一次元地震応答解析を行った。その結果、有効拘束圧(上載荷重),すべり面の傾斜角(初期せん断応力),地震動(繰り返し載荷回数)が地滑り発生メカニズムに関係することがわかった。 4)1949年今市地震で発生した崩壊性地すべりのすべり層準となった今市軽石のリングせん断試験を行った結果、地震によって地すべり変動現象が発生すると、すべり面附近において高い過剰間隙水圧が発生し、自然排水状態においては発生した水圧が消散しにくい、即ち、高速長距離地すべりになりやすいことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は当初予定どおり、順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究推進にあたって、特に障害はなく、当初予定通りに研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度に国際会議International Symposium on Landslidesがイタリアで開催され、そこにInvited speakerとして招待されたため、国際会議での発表を1年先送りしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年6月にイタリアで開催されるInternational Symposium on Landslidesに出席し、Invited speakerとして、本研究成果に基づいて、「Earthquake induced landslides of pyroclastics in the ring of fire」を発表する。
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