山岳域における衛星搭載マイクロ波放射計の降雨推定精度向上のため、熱帯降雨観測衛星のデータを利用して、地形性豪雨を引き起こす降水過程について解析した。沿岸山岳域における地形性上昇流によって発生した豪雨は、大気下層の鉛直安定度が高いほど降水頂が低いことが分かった。アジア夏季モンスーンの最大降雨域であるインド西岸(西ガーツ山脈)では、従来の研究で報告されていた海上ではなく、風上斜面で降雨量が最大となることを見出し、従来の研究が依拠していた可視赤外放射計降水推定アルゴリズムに問題点があったことを明らかにした。また、降水システムの地域的差異も得られた。
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