研究課題/領域番号 |
26282114
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
森山 聡之 福岡工業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50136537)
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研究分担者 |
武藏 泰雄 熊本大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10271131)
西山 浩司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20264070)
渡辺 亮一 福岡大学, 工学部, 准教授 (50299541)
和泉 信生 崇城大学, 情報学部, 助教 (60553584)
山口 弘誠 京都大学, 防災研究所, 助教 (90551383)
森下 功啓 熊本高等専門学校, その他部局等, 助教 (70735266)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 雨水 / 雨水タンク / 雨水グリッド / スマート雨水タンク / ビッグデータ / センサーネットワーク |
研究実績の概要 |
◯集合住宅荻浦ガーデンサバーブに設置された110tの雨水タンクをスマート化する。事前放流するかどうかを判断するため、気象庁のオンラインGPVデータを入力とし、SOMを用いて豪雨発生診断をこころみた。 しかし、気象庁のオフラインデータの品質管理(データベースの不備,読込ソフトの 不具合、エラーコードの解釈ミスなど気象業務支援センター側の問題が多い)の問題があり、気象庁WEBのアメダスデータを照らし合わせながら,エラーコードミスの傾向がわ かったのでその傾向をプログラムコードに差し込んで何とか使えるようにした. ◯荻浦ガーデンサバーブのセンサーノードからの水位および流量情報を受信し、雨水タンクに貯留されている雨水の量を計算した。解析の結果、流出率は0.9前後、つまり降雨量は貯留量の9割前後であることが解った。しかし、極めて強い雨が降ると、荻浦ガーデンサバーブの雨水タンクは砕石を入れているため、水位の伝搬が遅く、水位がスパイク状になり、そのままでは雨量計としては使えないことがわかった。 ◯センサーノードを組み合わせたPANは戸外で使用すると、植物等の影響を受けやすく、特に雨の降り始めに切断されやすいことがわかった。現行版のセンサーノードはそれ自体でデータを時間データとともに蓄積せず、ゲートウエイに送って初めて時間データとともに保存される。このため水位データのような連続量は問題ないが、雨量や流量はカウントを基本にしているため、ネットワークが切れると、カウント値は蓄積されるが時刻が記録されないため、ズレが生じやすいことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
◯モニタリングシステム全体やクラウドでのデータ保存、スマホ等で表示するなどは予定どおり進捗している。 ◯事前放流の豪雨診断が、気象庁データの問題を解決するためにやや遅れているためシステム全体の実験ができていない。 ◯センサーネットワークに問題があり、それを再設計して再度実験するためにやや遅れている。 ◯従って、経路の暗号化と認証システムの実験に入れない。 上記を勘案して「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
◯豪雨診断の検証実験を行い、さらにシステム全体の検証実験を行う。 ◯センサーノードを再設計し、データにタイムスタンプ付加して保存する。現行版はゲートウエイ側からデータを要求しているが、改良版はセンサーノード側からプッシュするようにする。また、通信用のモジュールとしてXBee シリーズ1以外のモジュールを試験する。比較検証のため京都大学の共同実験施設である大型降雨実験施設を利用する。 ◯上記2点が解決したら、荻浦のほかに本学のおとめが池や樋井川流域の数点で複数の雨水タンクを用いた実験を行い、雨水グリッドとしての実証実験を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
◯研究が若干遅延し、センサーノードの決定版を作成するに至らなかった ◯適切な発表の機会が少なかったこと
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次年度使用額の使用計画 |
◯センサーノードの決定版をある程度の数製作して実証実験を行う ◯Radar Conference 2015やIAHR 2015をはじめとした国際学会で発表を行う。
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備考 |
荻浦ガーデンサバーブのスマート雨水タンクモニタリング画面
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