研究課題
本研究の目的は、第一に微弱衝撃波が中枢神経系に与える影響を細胞レベルで検討すること、第二に、微弱衝撃波を用いた脳深部の精密治療技術開発に向け基礎的知見を得ることである。前者は、東北大学流体科学研究所 衝撃波学際研究拠点において申請者らが開発した衝撃波脳損傷モデルを含む実験系で評価を行う。後者は、本研究組織がわが国で初めて臨床応用を開始した脳内対流強化薬剤送達法を基盤とし、微弱衝撃波の印加による薬剤送達増強効果に関して非臨床(動物実験)での概念実証(proof of concept: POC)を確立する。本年度は、生物光学的・工学的観点も踏まえて微弱衝撃波が中枢神経系細胞、脳血管に与える影響をマクロレベルから微小環境での現象解明を行った。本研究では頭部モデルとして、単純な二次元モデルを用いて、頭部と衝撃波の干渉模擬実験を行った。頭蓋骨を模擬した円筒内に、脳部を模擬したゼラチンを満たして円柱形状とした。衝撃波は、微小爆薬を起爆し発生する球状衝撃波を用いた。また、本研究では、PVDF ニードルハイドロフォンを用いてモデル内の圧力変動を測定した。この結果、頭蓋内での衝撃波照射に際しては、一定以上の過剰圧の印加により、反対側に到達し、陰圧を発生するとともに、反射波が複雑な現象を引き起こし、膨張波、ならびに微小環境でマイクロジェットを含めた複雑な動態を引き起こすことが示唆された。衝撃波では衝撃波照射により薬剤導入効果の増加に関する非臨床POC確立までは至らなかったが、超音波の印加による薬剤送達増強効果に関する非臨床POCは確立できた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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