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2015 年度 実績報告書

心筋バイオメカニクスにおける活性酸素動態の生理・病態生理連関

研究課題

研究課題/領域番号 26282121
研究機関岡山大学

研究代表者

入部 玄太郎  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (90284885)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード機械感受性 / ミトコンドリア / 活性酸素 / 電子伝達系 / 伸展刺激 / TRPCチャネル
研究実績の概要

前年度までに亜急性の伸展刺激(5分程度)によって起こる緩やかな張力増加(slow force response: SFR)に必要なカルシウム流入経路としてTRPCチャネルが重要な役割を担っていることを薬理学的手法およびTRPC3及び6のノックアウトマウスを用いて明らかにした。本年度はこれをさらに確実な知見とするためにTRPC3チャネルの免疫染色を行い、20%近くのTRPC3が形質膜上に存在することを確認したうえでさらに我々が独自に開発を進めている心筋細胞数理モデルを用いたコンピュータシミュレーション実験を行い、SFRには形質膜上に存在するTRPC3チャネルが大きな役割を担っていることを最終的に結論づけた。
また、前年度までに我々は心筋細胞の急性の伸展刺激(15秒程度)によって電子伝達系複合体IおよびIIIを介してミトコンドリアが過分極し、それによって誘発されるNOX活性化によるROS産生が起こることを明らかにしてきた。本年度はこの反応のうちミトコンドリアの過分極からNOX活性化がTRPC3の活性化を介することを明らかにした。さらにこれを不全心モデルで確認するために横行大動脈縮窄術(TAC)マウス作製を開始し、TACによる不全心形成を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り27年度までに急性伸展刺激誘発性のミトコンドリア過分極のメカニズム(電子伝達系の関与)を解明することができ、また予定通り27年度中にTACマウスの作製を開始しており、研究は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

TACマウスを用いて不全心リモデリングが伸展刺激誘発性のミトコンドリア過分極やROS産生にどのような影響を及ぼしているかを明らかにしていく。主にTRPC3チャネルとの関わりを中心に研究を進める。
さらにその変化がTRPC3欠損、TRPC6欠損、NOX2欠損の各マウス心筋でミトコンドリア動態にどのような影響を及ぼすかを詳細に検討することにより伸展刺激誘発性のミトコンドリア過分極からのROS産生へとつながるメカニズムを解明していく。

次年度使用額が生じた理由

年度末購入予定の遺伝子改変マウスの搬入が遅れて次年度に納品となることが分かり、次年度初めに購入するよう予定を変更したため。

次年度使用額の使用計画

当初購入予定の遺伝子改変マウスの準備ができ次第購入に使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Role of TRPC3 in a slow force response to stretch on mice cardiomyocytes2016

    • 著者名/発表者名
      山口陽平、入部玄太郎、成瀬恵治
    • 学会等名
      第93回日本生理学会大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-03-22 – 2016-03-24
  • [学会発表] Role of TRPC3 in a Slow Force Response to Stretch on Mice Cardiomyocytes2015

    • 著者名/発表者名
      Yohei Yamaguchi, Gentaro Iribe, Keiji Naruse
    • 学会等名
      8th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies congress
    • 発表場所
      Centara Grand & Bangkok Convention Centre at Central World, Bangkok, Thailand
    • 年月日
      2015-11-22 – 2015-11-25
    • 国際学会
  • [学会発表] 持続伸展刺激下のAT1受容体-TRPC3系による心筋の張力制御機構2015

    • 著者名/発表者名
      山口陽平、入部玄太郎、成瀬恵治
    • 学会等名
      第67回日本生理学会中国・四国地方会
    • 発表場所
      米子コンベンションセンター
    • 年月日
      2015-10-24 – 2015-10-25
  • [学会発表] Development of a fluidic gripper for isolated cardiomyocytes2015

    • 著者名/発表者名
      Yohei Yamaguchi, Yasuyo Yamaguchi, Shuichi Wakimoto, Gentaro Iribe, Keiji Naruse
    • 学会等名
      37TH ANNUAL INTERNATIONAL CONFERENCE OF THE IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
    • 発表場所
      MiCo - Milano Conference Center, Milan, Italy
    • 年月日
      2015-08-25 – 2015-08-29
    • 国際学会
  • [学会発表] Influence of stretch on transmural gradient in mechanical properties of single ventricular cardiomyocytes2015

    • 著者名/発表者名
      Khokhlova A.D., Iribe G., Solovyova O.E., Naruse K., Markhasin V.S.
    • 学会等名
      Physiology 2015
    • 発表場所
      Motorpoint Arena, Cardiff, UK
    • 年月日
      2015-07-06 – 2015-07-08
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 細胞数理モデルによる心筋力学・電気生理のマクロ・ミクロ統合2015

    • 著者名/発表者名
      入部 玄太郎、成瀬 恵治
    • 学会等名
      第54回生体医工学会大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2015-05-07 – 2015-05-09
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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