研究課題/領域番号 |
26282123
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 太治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20448723)
|
研究分担者 |
坂井 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特認助教 (10298432)
山南 将志 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30438204)
中山 泰秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他部局等, 医工学材料研究室・室長 (50250262)
夜久 均 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50295648)
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60295649)
田地川 勉 関西大学, 工学部, 准教授 (80351500)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 生体内組織形成技術 / 小口径代用血管 / バイオチューブ / バイオシート / shelf readyグラフト |
研究実績の概要 |
本研究では、自己の体をバイオリアクターとし自家細胞とマトリックス成分からなる自らの移植臓器を自在に設計・誘導・再生する、再生医療工学的に全く新しい着想に基づく移植医療技術の開発を行う。これは人工臓器、移植臓器、in vitro ならびに in vivo組織工学的臓器に続く次世代型臓器として位置付けをることができる。ここで我々は、自家組織を用いて移植用組織をほぼ無尽蔵に提供できる「in vivo tissue architecture technology」(生体内組織形成技術)により、心血管領域に用いる血管をはじめとした代用臓器を患者に適切なサイズ、形態で作成する、オーダーメイド再生医療を提供する。①小口径代用血管への取り組み②shelf readyグラフトとしてのバイオチューブ③人工物を用いない組織欠損部位の修復(シートとしての応用)①、②として従来と同様の方法によりミニブタでのバイオチューブ作成を行い、視覚的にはこれまでにビーグル、ウサギで作成したものと同様のバイオチューブが得られた。今後、組織学学的、力学的評価を行う。③としては作成したバイオチューブを切り開き、シート状にし、バイオシートを作成した。人工心肺使用下にミニブタに心房中隔欠損を作成し、作成したバイオシートで閉鎖し得た。循環器の外科治療における補填材料としての使用が期待できる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
27年度は共同研究者の病気療養のため、28年度は研究代表者である自分の異動に伴う残務整理等のため、当初計画していた実験に遅延が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
27年度、28年度の遅れを取り戻すべく、①前臨床段階として臨床応用に向け、長期安定性評価を継続し、自家移植データの集積を行う。②ヒトへの応用の前段階の実験としてミニブタでのバイオチューブの作成し、これまでののギ、犬と視覚的には同様のバイオチューブが形成されることが確認できた。今後、組織学的、力学的評価を行い、異種グラフトとしての応用の可能性を検討する。③ウサギで作成したバイオチューブをこれまでに開発した処理方法により異種グラフト用に処理を行い、in vitroにおいて力学的特性を評価し、動脈グラフトとしての耐久性を検証する。ビーグル犬の頸動脈に異種移植を行い、開存性及び免疫反応の有無、耐久性の評価を行う。また、石灰化を含めた病理組織学的検討を行う。さらに、異種グラフトに対する抗血栓処理についても検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者の病気療養や、研究代表者である自分の異動に伴い、当初計画していた移植実験の中断を余儀なくされたため、実験動物や手術に用いる器械、薬剤等の購入ができなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
遅延している移植実験を行うための実験動物や手術に用いる器械、薬剤等の購入、研究成果発表のための学会参加費、旅費に充てる。
|