本研究では、研究代表者らが開発した脂肪組織の血管に対する選択的なナノ送達システム(ナノDDS)を発展させ、独自の脂肪血管標的化リガンドと新たな機能性医薬分子の開発を目指して研究を行った。独自のリガンドについてはin vivoで脂肪血管に対する移行能を有するDNAアプタマーを同定し、これを搭載したナノDDSを構築して肥満モデルマウスに対する有意な肥満治療効果を実証した。新たな機能性医薬分子については天然化合物であるcurcuminに着目し、これを高効率・高濃度でナノDDSに搭載する技術を確立し、in vitroでの機能評価を完了した。今後、両者を組み合わせたシステムによる治療応用へと展開する。
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