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2014 年度 実績報告書

3D超音波像のトラッキングによる循環動態の長時間モニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 26282146
研究機関京都大学

研究代表者

杉本 直三  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20196752)

研究分担者 椎名 毅  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40192603)
藤井 康友  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00337338)
石津 浩一  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314224)
上野 智弘  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10379034)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード医用超音波システム / 3D超音波 / 循環動態 / 長時間モニタリング / トラッキング
研究実績の概要

超音波画像によって循環動態を長時間モニタリングする方法の開発を目的として研究をスタートした.
まず,3D超音波装置を導入し,機器からのディジタルデータ取り出し方法とデータフォーマットの確認を完了した.また,準備段階で承認されていた倫理委員会への申請についても本課題用に変更申請を行ない受理されるなど,基本的研究体制の確立についてほぼ完了した.
撮像法(主に固定法)に関する検討を開始し,ウレタンクッションを使った固定具により,70分間にわたってプローブを固定して門脈像を捉え続けられることを一人の被験者により確認した.プローブ固定の側面からは,固定の際の自由度を更に高めることが課題であった.また,画質の側面からは,呼吸の状況により発生する音響陰影が門脈像に重なる場合があり,撮像方向や体位など検討の余地があるものと考えられた.
上記固定のもとで,70分間にわたりほぼ連続的(装置仕様により数分毎に短時間の中断を挟む)に門脈像を撮像し,得られた画像の解析と位置合わせ処理を行なった.この結果,70分間にわたって画質はほぼ維持されており,連続的に門脈の観測が可能であること,位置合わせ画像処理により呼吸動の影響を排除して一定位置を観測することが可能であることが示された.今後の課題としては,位置合わせ処理の更なる高速化と高精度化が挙げられる.また,位置合わせの際にトラッキングを用いた効率化も行なっているが,上記に述べた音響陰影の影響等により失敗することもある.この際の対策も含めた検討が必要である.発展形としては,門脈形態3D像の作成や径変化の計測など有用な情報の抽出が今後の課題となる.
以上により,超音波画像による長時間モニタリングの可能性は十分に示せたと考え,他アプリケーションに関する検討も開始した.予想以上に固定がうまく行くので,2Dプローブによる可能性も含めて検討している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実績の概要で述べたように,70分間のほぼ連続撮影とその結果画像の画像解析に成功しており,超音波画像による長時間モニタリングの可能性は十分に示すことができた.ハードウェア面およびファントム実験(定量評価)に関する検討のみやや遅れているが,定性的評価により有効性が確認でき,発展性が望めたために撮像およびソフトウェア面を優先したことによっており大きな問題はない.

今後の研究の推進方策

平成27年度は平成26年度と同様に引き続き検討を行なう.研究内容は平成26年度とほぼ同様で更なる高度化を目指すことが主となるが,加えて,遅れていたハードウェア面およびファントム実験についての検討を開始する.ただし,これまでに検討してきているソフトウェア面および応用実現可能性の充実とどちらを優先するかも考慮する必要がある.
臨床面では引き続き,固定の方法について工学側面も考慮しながら検討を加える.固定の際の自由度を高めること,2Dプローブによる方法も含めて他のアプリケーションの検討などが課題である.
ソフトウェア面では,開発してきた手法の健常被験者を対象とした評価実験を開始する.また,安定的にトラッキングを実行するための予測と照合機能およびトラッキングの成否を自動判定する仕組の付加,3D形態像の抽出や門脈径の計測を検討する.また,上記で2Dプローブによる方法の検討が進んだ場合はその支援のためのアルゴリズムの検討を開始する.

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に予定していた精度を定量評価するためのファントム実験およびハードウェア面の検討よりもソフトウェア面の開発を優先したため,予定していた旅費や物品費が少額となったこと,研究協力者とした学生がソフトウェア開発可能でありソフトウェア開発に見込んでいた人件費をソフトウェア開発環境整備(コンピュータ関係ソフトとハード)に充当したが充当しきれなかったことが理由である.

次年度使用額の使用計画

平成26年度予算繰り越し分と合わせて平成27年度にハードウェア面および精度評価用ファントム作成とファントム実験の実施を検討する.このために主として物品購入費(材料費など)および調査旅費として用いる.ただし,ソフトウェア面が予定より順調に進んでいることを考慮して,ソフトウェア面および簡易固定具を用いた検討や応用可能性の検証実験とどちらに重点を置くべきかは十分に検討のうえ進める予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 3D Ultrasound Image Registration and Extraction of Portal Vein for Long Time Monitoring2014

    • 著者名/発表者名
      T. Teratoko, T. Ueno, K. Ishizu, Y. Fujii, T. Shiina, and N. Sugimoto
    • 雑誌名

      Proc. of Symposium on Ultrasonic Electronics

      巻: 35 ページ: 535-536

    • 謝辞記載あり
  • [備考] 超音波画像による長時間生体モニタリング

    • URL

      http://sugimoto-lab.hs.med.kyoto-u.ac.jp/lmus/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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