研究課題
平成28年度は、多波長狭帯域計測の高度化と幾何学的な変形をシミュレーションしたBスプラインに基づく階層的テンプレートマッチングと追跡技術の開発を行った。最終的に、肝臓と腎臓という異なる臓器に対して、定量的な評価を行うことが可能な引張試験時のマッチングと追跡の評価を行った他、応用として術具による切断を行った場合における追跡の可能性について評価した。狭帯域多波長計測については、病変組織の可視化が主な応用とされ、これまで画像間のマッチングやトラッキングに用いられた例は他にない。また生体組織の狭帯域計測によって異なる空間周波数と画像特徴を有する多波長画像の取得が可能であることを見出し、ピラミッドマッチングの概念を応用した階層的画像マッチング・追跡技術のアイデアを考案した。提案手法の評価のために、高感度カメラや狭帯域波長可変フィルタ、また独自手法を含む多様な画像認識アルゴリズムを実装した計測・処理システムを構築した。評価データの計測においては引張試験機を用いて生体材料の計測実験を行ったほか、術具を用いて臓器の切断時の手法のロバスト性を調査した。実験の結果、狭帯域の画像を階層的に異なるテンプレートサイズでマッチングを行った場合に、階層的に行わない場合に比べて高いマッチング精度が得られることが確認された。狭帯域多波長計測による特徴点抽出手法を成果として投稿し、当該分野における主要な国際論文誌International Journal for Computer Assisted Radiology and Surgery(IF:1.827)に採択された。また階層的手法に関してコンピュータビジョン系や医用画像系の研究会で報告し、今後、成果を国際論文誌に投稿する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
International Journal for Computer Assisted Radiology and Surgery
巻: 11(12) ページ: 2173-2183
10.1007/s11548-016-1458-4
Journal of Dermatology
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10.1111/1346-8138.13181.