研究課題
平成28年度は、脊心磁計に興味を示す民間企業の協力を得ながら、脊心磁計のアナログ信号処理回路、データ収録系を改良した。特にデータ収録の高分解能化は、ダイナミックレンジを大幅に拡大し、データ収録前のアナログ信号の増幅率の選択をする必要がなくなり、ユーザビリティが向上できる。また、ノイズ除去法や解析手法を統合したソフトウェアを新たに開発し、従来のファイルベースのデータ管理から患者名ベースのデータ管理に変更し、データ収録から解析、表示までをスムーズに実施できるようにした。神経誘発信号を検出する際、電気刺激の刺激箇所に観測領域が近いほど、刺激によるアーチファクトの影響も大きくなり、信号がアーチファクトに重畳してその後の解析が困難になるという問題があった。本研究で新たに開発したDSSP(Dual signal subspace projection)法を適用することによってこの問題を解決した。また、DSSPにより刺激箇所~観測部位の選択の自由度が向上したため、従来困難だった手指刺激による手掌の末梢神経誘発磁場の検出が可能となり、手指から脊髄に至る神経経路の全行程の神経信号の観察ができるようになった。脊心磁計による背側からの心臓磁場計測では、体表面の接線方向成分を検出するセンサにより、心房細動発症時のローター信号の非侵襲的検出に成功した。従来の心磁計で報告されているものとは全く違うパターンで、新しい知見である。前年度に開発した脊心磁計用のクローズドサイクルヘリウム再凝縮を引き続き運用し、9か月半の間、液体ヘリウムの損失ゼロで、長期連続運転させることに成功し、ランニングコストが激減できることを実証した。今後、疾患のリスク評価の研究を進めるには、複数の医療機関に装置を設置して、さらに臨床データを蓄積していくことが重要である。そのために民間企業と協力して、脊心磁計の薬事承認を得る手続きに着手した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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