研究課題
パーキンソン病は代表的な神経難病であり、特徴的な運動症状に加えて多彩な非運動症状を呈する。疾患の進行と共に薬物の副作用や種々の合併症が併発する。これまで我々はパーキンソン病をはじめとした神経変性症に対し、新たな視点から特別なリハビリテーションを考案し、成果をあげている。その中で「腰曲がり」を含む姿勢異常は、薬物のみならずリハビリテーションに対しても改善効果が乏しいことが問題であった。最近我々は、同患者に対し反復脊髄磁気刺激(rTSMS)を行い、短期的には姿勢異常が著明に改善することを見出した。この予備的検討を基にして、本研究ではパーキンソン病患者に一定期間、rTSMSを施行し、姿勢異常ならびに姿勢反射障害に対する効果を経時的に観察する。さらに、他の運動・精神症状に対する効果を検討する。 我々は独自のリハビリテーションを行っており、予想以上の効果を見出しているが、腰曲がりや首下がりなどの姿勢異常に対しては効果が乏しい印象があり、これに対する特別な対策の必要性を痛感していた。 我々は全く新しい治療法としてrTSMSに着目した。我々は、磁気刺激装置を用いてその腰曲がりに対する短期効果を検討した。対象は320名のパーキンソン病患者の中からcamptocormiaを合併し、研究の同意が得られた37名であり、これを無作為に2群に分類し、sham刺激を加えたdouble-blind cross-over試験を実施した。その結果、rTSMSは腰曲がり角度に明らかな改善効果があることを見出した。以上の結果から、rTSMSによりパーキンソン病の姿勢異常のみならず運動症状が改善される可能性は高いと考えられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件)
ハリソン内科学
巻: 5 ページ: 460-460
J Tokus Natl Hosp
巻: 8 ページ: 9-11
巻: 8 ページ: 35-38