研究課題/領域番号 |
26282170
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡出 美則 筑波大学, 体育系, 教授 (60169125)
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研究分担者 |
白旗 和也 日本体育大学, 体育学部, 教授 (20515184)
細越 淳二 国士舘大学, 文学部, 教授 (70365526)
大友 智 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90243740)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 21世紀型能力 / 体育 / 学力 |
研究実績の概要 |
本研究では、次の2点の課題を設定していた。 課題1:諸外国における体育の学力をめぐる研究成果並びに評価論の検討 課題2:小学校6年生並びに中学校2年生の球技並びに器械運動の授業を対象に、技能、知識・理解、関心・意欲・態度に関わる学力を把握する方法を開発するとともに、それを用いた実態調査を行い、現実的に期待し得る学習成果を提案する。 平成27年度においては課題1に関しては、9月に実施されたスポーツ教育学会にカナダオンタリオ大学よりRebecca Lloyd氏を招聘し、カナダにおける体育の学力論の動向に関する情報を収集した。また、3月にはニュージーランドオークランド大学のBen Dyson氏を訪問し、ニュージーランドの体育の授業並びにアメリカにおける社会的領域の学習成果の評価方法について情報を収集した。加えて、アメリカのPE Metricsの記述について検討した。 課題2に関しては、中学校2年生のバスケットボールの授業を対象に、技能、知識・理解、関心・意欲・態度に関する学習成果を評価する指標作成に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題1に関しては、諸外国の体育の学力をめぐる論議の動向を把握できるようになってきた。この過程で、技能、知識・理解、関心・意欲・態度の各観点において、指導内容に対応させ、期待し得る学習成果を必ずしも具体的に示しきれていないことが確認できるようになってきた。 課題2は、課題1の進捗状況に連動している。我が国の学習指導要領並びに解説書の記述を元に評価規準を作成して行く際には、評価対象に応じた評価方法の開発が不可欠になる。現時点は、適切な評価方法の開発に時間を要しており、実際の授業ですべての観点の成果を確認し、そのエビデンスを蓄積する段階には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
課題1に関しては、引き続き、アメリカ、ニュージーランド、カナダ、ドイツにおける体育の学力論並びに評価論について検討を進めていく。また、社会的領域の学習成果については、アメリカで開催されるAIESEPにおいて成果を発表する。 課題2に関しては、小学校2年生並びに4年生を対象に、球技の技能の評価指標の開発並びに単元計画の作成、実施、成果の評価を進める。この間、教育委員会のセキュリティの壁もあり、ファイルサーバーを稼働させることが困難であった。平成28年度は、ファイルサーバーを活用する方法が確認されたため、定期的に実験校からのデータをファイルサーバーを介して受け取ると共に、情報のフィードバックを行う。また、協同学習のアイデアを見込んだ同一単元を2回実施することで、データの信頼性を高めるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を実施する予定であったが、先方との日程調整ができず、調査が実施できずに終わった。 また、実験校とのサーバを介した情報交換に際して、セキュリティの関係でサーバを稼働させることができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
7月に、ニュージーランドへの調査を予定している。また、6月にアメリカでの学会発表を設定した。加えて、実験とのサーバを介した情報交換については、2月以降の打ち合わせを介して、問題点が解消し、4月以降、稼働させることが可能になった。これらの旅費、サーバー稼働にかかる経費に使用する。
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