研究課題/領域番号 |
26282171
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
国分 充 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40205365)
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研究分担者 |
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20369755)
田中 敦士 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40347125)
渋谷 郁子 大阪成蹊短期大学, その他部局等, 准教授 (80616938)
平田 正吾 茨城キリスト教大学, 文学部, 助教 (10721772)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害 / 不器用 / 指導法 / アセスメント |
研究実績の概要 |
本年度は主に、1)発達障害児における不器用の発生メカニズムの検討と、2)不器用に対する指導原則を考案するための検討を行った。 1)については、発達障害の中でも運動の問題が指摘されることの多い自閉症スペクトラム障害(ASD)児の手指運動を取り上げ、標準的な手指運動アセスメントを遂行している際の様子を、ハイスピードカメラや運筆の軌跡や速度を取得する装置を用いて記録した。現在、得られた結果を分担研究者と共に分析中であるが、ASD児の中でも特に手指運動機能が低い児は、手指運動機能が暦年齢相応の水準にある児と比較すると、運動要素の統合や自動化の程度が異なる可能性が示唆され、現在この点について更に検討するための測定を計画中である。 2)については、まずASD児の姿勢制御に注目し、light touch効果(LT効果)が生じるのか検討した。LT効果とは、立位姿勢の際に固定物に軽く触れることで立位姿勢の安定性が向上する現象を指すが、立位姿勢の問題が指摘されることの多いASD児に対してLT効果が生じるのか平衡機能計を用いて検討した。その結果、ASD児においてもLT効果が生じることが確認された。この他にも、本年度は発達障害児の小集団に対する2ヵ月程度の運動指導の効果についての検討を行い、運動指導が運動アセスメントの成績の上昇をもたらすことを確認した。 本年度も関連する国内学会でシンポジウムを行うと共に、2つの国際会議で研究発表及びシンポジウムを行い、一部の研究成果を公表した。これらのシンポジウムでは、不器用の発生メカニズムや指導法についての各分担研究者の報告が行われた。これらの研究結果を受け、次年度の研究計画を策定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の検討結果を受け、研究目的を達成するための作業を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である次年度においては、本年度の検討結果を受けた新たな測定を行うと共に、これまでに得られた多様なデータを統合していくことで、発達障害児の不器用に対する指導原則を見出していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の後半より開始していたデータ収集に遅れが生じ、本年度の中盤まで行っていたため、本年度に行うべき新たな測定の開始が遅れたことに起因する。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の後半より開始している測定で得られたデータを分析するための機材の購入に使用することにより、次年度使用額は使い切られる見通しである。
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