研究課題/領域番号 |
26282172
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阿江 通良 筑波大学, 副学長 (10175721)
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研究分担者 |
内山 治樹 筑波大学, 体育系, 教授 (00168717)
加藤 謙一 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (00177437)
宮崎 明世 筑波大学, 体育系, 准教授 (10517197)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / 標準動作 / 動作の改善 / 基礎的動き |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、標準動作モデルを用いた基礎的動きの改善による変化を検討するとともに、学習者を類型化(タイプ分け)する方法を明らかにし、学習者の特性に応じた動作の指導法の開発に役立つ基礎的知見を得ることである。初年度にあたる平成26年度には、これまでに(平成22~25年度)開発した標準動作モデル配信システムの操作性を向上させること、これまでに蓄積してきた標準動作モデルデータベースを整理することをねらいとした。 1.標準動作配信システムの操作性の向上については、撮影したVTR画像データを標準動作モデル(スティックピクチャー)と重ね合わせて表示し閲覧する機能(ビューワー)を小学校高学年の児童でも容易に操作できるように、抜本的に変更した。この改良により、画像とスティックピクチャーの重ね合わせ、大きさの調整、動きの比較がマウスのクリックやドロップ機能を利用してできるようになった。また、専用サーバー(富士通PRIMERGY TX1330M1)を導入し、運用テストを行った。 2.標準動作モデルデータベースについては、これまでのデータを整理するとともに、走幅跳の一流選手(29名)の標準動作モデルデータをクラスター分析手法により類型化(タイプ分け)を試みた。その成果の一部を国際会議(7th World Congress of Biomechanics, Boston, July 2014)などで発表した。 標準動作データベースについては、ハンドドリブルのサンプル数を増す必要があることがわかり、平成27年度に大学選手を対象としてデータを収集する予定である。なお、平成26年度末には安価な高速度デジタルカメラを購入し、VTRによるデータ収集のテストも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動作改善ループにおいて中心的機能を果たす「標準動作配信システム」に用いるOS等の選択、およびそれに対応できるソフトウェアの開発が遅れたため、操作性の改善が予定どおりに進まなかった。そのため、予定していた動作計測および動作改善ループの適応にも影響が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に改良した動作配信システムVer.2を用いて、大学生を対象にハンドドリブルの、小学校2および4年生を対象に走動作、立幅跳動作、遠投動作、マット運動(前転および後転)の改善および、その前後における動作のバイオメカニクス的測定を行う。そして、標準動作配信システムを用いて、上記の基礎的動きの動作の改善を行う。 また平成26年度と同様の方法により学習者の動作の類型化を行い、タイプ別の動作の改善方法についても研究する。 平成26年度に行えなかった動作計測については、上記のようにハンドドリブルの動作計測を優先して行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
標準動作配信システムの操作性の改善が予想以上に遅れたため、予定した動作計測が遂行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に遂行できなかった計測(大学生を対象としたハンドドリブルの動作計測)および標準動作配信システムを用いた動作改善実験を平成27年度には最優先で実施するためその費用に充てる。
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