本年度は、過去のオリンピック・パラリンピック競技大会の競技会場や選手村、プレスセンター等の大会終了後の後利用(レガシーモード)について、バルセロナ、メルボルンをケースに実地調査を行った。 1992年バルセロナオリンピックのメインスタジアムは1929年のバルセロナ万博の会場としてモンジュイックの全体整備の一部として計画された。1975年フランコ政権の交代により都市の再開発が加速し、バルセロナオリンピック招致を含めた再開発の長期計画の一部として改修が行われた。現在の稼働日数は年間100日程度。数年前まではエスパニュールFCのホームグラウンドであった。スポーツイベント開催の他、興行、CM撮影などに使われている。 1956年メルボルンオリンピックのメインスタジアムは、1853年に建設されたクリケット場をオリンピックモードとして改築したものである。その後、2006年のコモンウェイスゲームズの会場としても利用され、現在ではクリケット、オーストラリアンフットボール、コンサートの会場となっている。施設を運営するMelbourne Cricket Clubには11万人の会員がいるため固定収入が確保されており、会員のウェイティングリストは20万人以上に上る。国立スポーツ博物館が併設されており、興行日以外の収入源となっている。
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