研究課題/領域番号 |
26282182
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
納富 拓也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70542249)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨リモデリング / 膜電位 |
研究実績の概要 |
老化や閉経に伴う骨粗鬆症患者数は1000万人といわれ、高齢化社会をむかえて、その患者数は増加し続けている。この治療・予防に運動のような力学的刺激は有効であると報告されている。しかしながら、力学的刺激の強い運動(レジスタンス運動)による骨代謝・骨形態変動についてのメカニズムは明確にされていない。これは、動物に運動負荷することの難しさが一因と考えられる。私は、このメカニズムを検討するために、ラットがヒトと同様に直立運動をおこなうスクワット運動と非侵襲的にレジスタンス運動をおこなうクライミング運動を開発した。また、神経伝達物質受容体(アドレナリン受容体)とイオンチャネルの一種でペースメーカーチャネルと呼ばれるHCN、ライソソーム膜上イオンチャネルTPC2の骨代謝機構における役割を明らかにしてきた。これらの結果は、骨の細胞間で脳神経と類似した情報伝達の存在を示唆している。そこで、現在までの結果に基づいた神経伝達物質受容体・イオンチャネルを介した細胞膜電位変化を伴う力学的刺激による骨代謝機構の解明を目指す。本年度では、同定した標的分子の骨代謝・力学刺激伝達機構における役割を検討した。標的分子と細胞膜電位との関係を検討するために、骨芽細胞・破骨細胞にChWR・Archを導入して、膜電位変動と標的分子の相互作用を検討するとともに、培養系における力学刺激伝達機構への関与を調査した。その結果、標的分子の細胞膜電位に応じた機能変化と力学的刺激伝達機構における発現調節を確認した。神経細胞と同様に、骨関連細胞における膜電位変動の重要性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
標的分子の機能解析、FLIPRによる細胞膜電位スクリーニングも順調に進んでいる。また、光操作分子を用いて、細胞膜電位と標的分子の関係を検討することで、重要な知見を得ている。また、これらの知見に基づいた亜鉛、細胞膜電位および破骨細胞形成の関係についての研究も立ち上がり、新知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、力学的刺激伝達機構との標的分子の関係について、培養系での力学負荷モデルを軸として詳細に検討していく。神経系と力学刺激伝達機構の関係について、検討を進めるために、in vivoでの遺伝子改変マウス・運動負荷モデル動物を用いて、迅速に検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験計画書変更のため、その認可まで時間を要したことと、大学共通施設利用のための準備が遅れたためである。具体的には、動物実験の立ち上げの遅れのために、消耗品費が少なくなったことと、共通施設利用頻度の減少である。実験回数の減少に応じて、人件費・消耗品費の減少が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
実施できなかった培養実験・動物実験計画を予定に組み入れて、前年度に計画していた通り、消耗品費(試薬・培養器具・実験動物)にあてる予定である。また、増加予定である実験を速やかに推進するために、実験補助員増員のための短期雇用に充てる。
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