研究課題
本研究の目的は、運動疲労の神経基盤を統合的に解明することである。平成23~25年度基盤研究(B)「運動疲労時における中枢制御機構の統合的解明」において、抑制システム、促進システム、疲労感などの運動疲労関連因子の神経基盤を個々に明らかにした。本研究ではさらに進めて、動的で相互依存的な側面を持つ運動疲労の中枢神経系制御機構に対して、脳磁図装置を用いて詳細に検討することで、運動疲労の神経機構を統合的に解明する。我々のこれまでの脳磁図を用いた疲労研究より、慢性疲労の神経機構を明らかにしてきた。しかしながら慢性疲労の運動疲労に対する影響の解明までには至っていない。本年度研究では、慢性疲労者および健常被験者を対象として、運動による疲労困憊状態を想起させる実験を行い、慢性疲労の、運動疲労に対する影響を検討し、その神経学的基盤を明らかにした。運動疲労課題である、PC画面上に出現する「運動による疲労困憊状態の画像」の凝視→「最大の力でのハンドグリップ」の想起を150回程度、参加者に実施させる。運動負荷課題前後で、脳磁図検査を実施し、慢性疲労の運動疲労に対する影響について検討したところ、ブロードマン18野において、θ周波数帯域(4-8 Hz)象関連同期減少が認められた。本研究により、これまで急性疲労のみの明らかにされていた神経基盤を、慢性疲労においても動的・相互依存的にその神経基盤が解明された。これらの成果は、疲労の神経機構を統合的に解明する上で、非常に意義深いものであると考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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