研究課題
定期的な身体活動実施者では、生活習慣病の罹患率が低く、メンタルヘルス良好者が多いことが知られている。最近の研究では、積極的に体を動かす身体活動・運動とは独立して、座位や身体不活動に要する時間が長いほど、肥満や2型糖尿病などの生活習慣病の罹患率が高まることが報告され始めている。いわゆる、「座り過ぎ(too much sitting)」の健康への悪影響に注目が集まっている。そこで、本研究事業では、小学生から勤労者までの座位・身体不活動と生活習慣病やメンタルヘルスなどの健康事象との関連性を縦断的に検討し、それらの因果関係を明らかにする。また、研究代表者が蓄積してきた身体活動・運動の行動変容に関する研究成果を活用し、座位活動の行動変容ステージ尺度を開発し、その尺度を用いた座位活動時間減少を目的とした行動変容介入法を確立する。最終的には国民の活動的なライフスタイル構築に向けた確かなエビデンスを確立する。平成27年度は3つの追跡調査(中学生、大学生、勤労者)を予定通り実施することができた。また、横断データの解析から得られた研究成果を国内外の学術大会で発表すると共に、国際的な学術雑誌に積極的に投稿をはじめることができている。
2: おおむね順調に進展している
予定通りに追跡調査は実施できているが、座位・身体不活動の行動変容ステージ尺度の開発が少し遅れている。
追跡調査は順調に進めることができているので、このまま継続する予定である。座位・身体不活動の行動変容ステージ尺度の開発が遅れているので、共同研究者とのブレインストーミングを加速し、また行動変容ステージ尺度に関する研究のレビューを進め、研究開発の方向性を明確にする予定である。
当初予定していた座位・身体不活動の行動変容ステージ尺度の開発が遅れているため、開発し調査遂行のための消耗品や人件費の支出が滞ったことが最大の原因である。
座位・身体不活動の行動変容ステージ尺度は誰も考えていない新しいものであるため開発は簡単ではないが、今年度前半に共同研究者とのアイディアを出し合うための会議や関連研究のレビューを中心に研究開発を進め、年度後半に予備調査を実施する予定である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 6件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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