研究課題/領域番号 |
26282188
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
山津 幸司 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (90299579)
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研究分担者 |
熊谷 秋三 九州大学, 基幹教育院, 教授 (80145193)
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
中島 寿宏 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (10611535)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 座位行動 / 身体不活動 / 身体活動 / 健康支援 / 公衆衛生 / 学業成績 |
研究実績の概要 |
最近の研究から、積極的に体を動かす身体活動・運動とは独立して、座位や身体不活動に要する時間が長いほど、肥満や2型糖尿病などの生活習慣病の罹患率が高まると報告されている。いわゆる、「座り過ぎ(too much sitting)」の健康への悪影響に注目が集まっている。そこで、本研究事業では、小学生から勤労者までの座位・身体不活動と生活習慣病やメンタルヘルスなどの健康事象との関連性を縦断的に検討し、それらの因果関係を明らかにする。また、研究代表者が蓄積してきた身体活動・運動の行動変容に関するノウハウを応用し、座位活動の行動変容ステージ尺度を開発し、その尺度を用いた座位活動時間減少を目的とした行動変容介入法を開発し、国民の活動的なライフスタイル構築に向けた確かなエビデンスを確立を目指している。 研究計画に基づき、5つの研究を以下のように進めてきた。研究1では研究全体で1万人超の小中学生の身体活動とメンタルヘルスに関する横断の研究データベースを構築できた。その中でも、佐賀県在住の国公立小中学生約2000名の抑うつ傾向や休日の座位時間と抑うつ傾向の関連性を明らかにした。研究2では、中学1年生の座位時間と学業成績の関連性を検討した結果、中学生ではスクリーンタイムに要する座位時間は学業成績に直接的には負の影響は認められないが、間接的には家庭での学習時間を増やし学業成績にプラスの影響もつ可能性が明らかになった。研究3と研究4では縦断研究が完了し、データセットが完成した。研究5では、座位・身体不活動の行動変容ステージの構成概念を検討し、座位行動単体ではなく身体活動との二軸と健康アウトカムの関係で行動変容を促す方法論の確立を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究事業で予定していた5つの研究プロジェクトのうち、4つは完成し、その成果を学術雑誌等への投稿や学会発表につなげることができている。一方、座位・身体不活動の行動変容ステージに関する研究を若干遅れ気味で、座位行動単体ではなく身体活動との二軸と健康アウトカムの関係で行動変容を促す方法論を検討中であり、研究期間を延長し介入研究を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長し残り1年であるため、データセットが完成した4つの研究プロジェクトの学術雑誌への投稿を加速させること、座位行動の変容介入については身体活動レベルとのバランスおよび対象者が期待する健康アウトカムとの関連を考慮した介入方法を確立し、介入研究を行う計画を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究字体は概ね順調に進めることができているが、研究期間を延長し、遅れていた座位行動の介入研究を遂行する予定である。
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