研究課題/領域番号 |
26282189
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
梶本 修身 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (10294175)
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研究分担者 |
水野 敬 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (60464616)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 疲労 / 自律神経 / 注意制御 / ATMT / ストループ / 嗜好性 / 疲労回復 / 疲労予防 |
研究実績の概要 |
本年度実施した研究においては、熱烈な恋愛の程度や疲労感の強さを調べるための主観的スケール、交感神経と副交感神経の活動を指標とした自律神経機能および注意配分や注意転換力を指標とした注意制御機能などの疲労マーカーを用いて、嗜好性が疲労に与える影響について心理生理学的に検討した。恋愛中の健常成人を対象に、パートナーが隣り合わせて別々の精神的な疲労負荷作業を行う場合と、パートナーが別の場所で作業を行う場合で疲労度が変化するかを調べた。疲労負荷作業としてジグソーパズル課題を設定し、被験者に対し2時間の連続的作業を負荷した。クロスオーバー試験の手法を用いて、午前と午後の2回の試験を行った。半数の被験者は午前の試験時にパートナーが隣り合わせの状態で疲労負荷作業に取り組み、午後の試験時にはパートナーが視覚的に確認できない離れた状態で負荷課題に取り組んだ。残りの半数の被験者は、午前の試験時にパートナーが離れた状態で、午後の試験時はパートナーと隣り合わせの状態で疲労負荷作業に取り組んだ。女性において、passionate love scaleによる自覚的な恋愛の熱烈度が高いほどパートナーが隣り合わせている方が、visual analogue scaleによる自覚的な疲労度が高く、自律神経活動評価からは交感神経活動が亢進していることがわかった。つまり、作業刺激の呈示法により疲労度が軽減するのでなく亢進することも有り得る新しい良い知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗疲労に限らず疲労亢進の予想外の知見が得られ、次年度に予定する疲労予防・回復試験デザイン開発に本知見が寄与したため。
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今後の研究の推進方策 |
作業刺激の呈示方法等を変容させることで、抗疲労効果が得られるか検討を進める。抗疲労効果判定のための評価系としては、自律神経機能と注意制御機能といった生理学的疲労マーカーを主軸に自覚的疲労度との関連性も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていくなかで当該年度末に自律神経機能評価システムの購入、活動量計の購入およびデータ解析用のパソコン購入が必要と判断し、次年度早期にこれらの物品購入により研究を加速させるため。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究を効率よく促進させるために自律神経測定システム、活動量計とデータ解析用PCを購入予定である。
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