研究実績の概要 |
本研究では、①職業性ストレスの健康影響を縦断研究により明らかにすること、②職業性ストレスを鋭敏に検出するサイトカインを探索すること、③職業性ストレスのサイトカインネットワークメカニズムを解明することを目的として、3年間の前向きコホート研究を実施している。研究期間2年目である今年度は、大手2社の企業から協力が得られ、電子系企業従業員400名と化学系企業従業員2000名のコホートを形成できた。サイトカインについては、初年度において10種類(インターロイキン(IL)-1, IL-2, IL-4, IL6, IL-8, IL-10, IL-12, IL-13, 腫瘍壊死因子-α、インターフェロン-γ)測定し、測定値において妥当な結果が得られた。初年度において、対象企業の役員に対する全体結果の説明、個々の社員へのデータフィードバックを11月までに終了し、データのクリーニング等を2月に終え、現在はデータの解析を行っている。これらの解析結果を整理し、学会発表と論文発表を目指して準備中である。本年9月にキューバで開催される国際生理心理学会において、「主観的健康感とサイトカインの関係に関する実証研究」ならびに「楽観性と免疫機能の関連」について発表予定である。そのほか、職業性ストレスならびに過重労働とサイトカインに関する横断研究の結果について学会発表ならびに論文を執筆する予定である。連携研究者とは別の論文の執筆の準備にもとりかかっている。 その他、研究協力機関である福岡労働衛生研究所がこれまでに収集した健診データの分析を行い、学会発表ならびに論文を国際誌に公表した。
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