研究課題/領域番号 |
26282199
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90375460)
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研究分担者 |
真田 樹義 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50421227)
浜岡 隆文 東京医科大学, 医学部, 教授 (70266518)
橋本 健志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70511608)
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 骨格筋 / マイオカイン / 有酸素性運動 |
研究実績の概要 |
最近,運動刺激によって骨格筋から分泌される内分泌因子(骨格筋由来内分泌因子):マイオカインは筋自身への自己作用だけでなく,血液を介して,脂肪細胞や骨細胞に作用することが明らかとなった。しかしながら、骨格筋への運動刺激によって誘発されるマイオカインが動脈硬化改善に関与するか否かの検討は国内外を見ても皆無である。そこで本研究は,動脈硬化に対する運動効果のメカニズムに関与するマイオカインを探索し,骨格筋と動脈血管との間のクロストークの解明を目指すことを目的とする。本研究では,中高齢者(50 歳以上)20名を対象に有酸素性トレーニングを8週間実施し、トレーニング前、トレーニング開始2、4、6、8週間後に,動脈硬化指標である、脈波伝搬速度(baPWVおよびcfPWV)を測定し、同時に採血を行った。cfPWVはトレーニング開始2、4、6、8週間後において徐々に低下する経時的な変動示し、トレーニング開始6、8週間後において有意な低下を示した。また、血管拡張調節因子としてadropin、apelin、NOx、PTX3などを各被験者の血液を用いて、血中レベルの変動を経時的に検討し、動脈硬化に対する運動効果よりも早期に増加変動するホルモン・ペプチドや動脈硬化度の低下とともに血中レベルが増大するホルモン・ペプチドなどを新たに複数同定することができた。今後これらの候補となっている血中バイオマーカーが骨格筋にて発現変動しているのか、また、運動効果に貢献しているのかを動物実験にて検討し、動脈硬化に対する運動効果に関わるマイオカインを複数同定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、中高齢者の有酸素性トレーニングにおける動脈硬化と血管拡張調節に関わるホルモン・ペプチドの血中濃度の変動を経時的に検討し、動脈硬化指標と相関するホルモン・ペプチドを複数同定した、動脈硬化に対する運動効果に関わる可能性が見込まれる候補マイオカインを同定した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究結果から、ヒトの中高齢者の動脈硬化に対する運動効果に関わるホルモン・ペプチド(マイオカイン候補)を複数同定したが、今後、動物実験により候補マイオカインが運動により骨格筋で発現および分泌が増大しているのかを検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
血液解析部分でELISAで行えるタンパクでない場合、Western blotなど異なる方法で実施するケースもあり、ELISAキットや抗体の選出および輸入などによる入手時間が必要であったため、予定の使用計画と一部のみ異なった。また、計測に技術が必要であったため、アルバイトでの雇用による測定でなく、自分自身で測定したため、人件費は控えることにした。
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次年度使用額の使用計画 |
血液解析に関する試薬やキット、抗体の選定から速やかに測定を行うとともに、動物実験の準備と実験の開始を並行して行う予定である。
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