研究課題
一般住民を対象とした秤量法により収集した食事記録データをもとに、わが国で摂取量が多いと考えられる食品合計140品目を選定している。今年度は、これまで測定が不可能だった油脂類の抗酸化能測定法を開発し、油脂類の抗酸化能測定値をデータベースに収載した。さらに、摂取重量が大きいその他の食品についても妥当性を確認したH-ORAC、L-ORAC測定法を用いて抗酸化能を継続的に評価し、最終的に189品目、分析点数約600点からなる食品抗酸化能データベースを完成させた。このデータベースは食事記録による全食品の摂取重量の約80%をカバーしていた。抗酸化能摂取総量への寄与が高い食品としては、H-ORACでは茶・大豆食品・米が、L-ORACでは大豆食品・魚介類・藻類がそれぞれ特徴的であった。これまで抗酸化能が注目されていなかった動物由来食品の抗酸化能摂取総量への寄与が高いことが注目された。また、茶・米・魚介類・大豆食品といった伝統的な日本型食生活は高い抗酸化能摂取へ寄与している可能性が考えられた。食品抗酸化能データベースは、食品番号と抗酸化能測定値が一対一対応しており、コホート研究等で行なわれている食事頻度調査から抗酸化能摂取総量を推算することが可能であり、今後疾病発症リスクと食事からの抗酸化能摂取総量との相関が見出せるものと考えている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本食品科学工学会誌
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