研究課題
腹側言語経路の機能・解剖、病態下の代償機転の包括的解明、に基づいて研究を推進した。術前評価に硬膜下電極を慢性留置した難治てんかん外科患者、腫瘍摘出に覚醒下手術を施行した患者で研究に同意を得た者を対象とした。腹側言語経路内の機能の解明に関しては、意味表象のRSA解析(Chen et al. 2016)、support vector machineを応用した運動判別のdecoding(論文発表)の経験から、システムレベル・局所レベルのdecoding解析や領域間の実効的結合性解析を推進し、国内(函館未来大学)・国際(ジョンスホプキンス大学、マンチェスター大学)共同研究として、ネットワークレベルの意味カテゴリ再現や機能連関の解明に着手した(国際学会発表予定)。漢字/かな読み課題に同期した皮質刺激介入研究では5症例をまとめ、定量的な精神物理学的評価から腹側経路前後方向の意味から形態認知への機能勾配を明らかにした。また、日本語の読み書きにおいて、腹側言語経路の縁上回と背側言語経路の前部紡錘回への刺激介入から、意味理解と音韻の二重解離が出現することを明らかにした(国内・国際学会発表、論文準備中)。脳機能結合地図作成に関しては、覚醒下手術中の皮質・白質の電気刺激研究から、左下前頭回内の結合の機能勾配を明らかにした。眼窩部は腹側言語経路を担い前側頭葉に結合し、弁蓋部は背側言語経路を担い後部側頭葉に結合し、中間の三角部は中間的な結合様式であった (国際学会発表、論文準備中、論文発表)。腹側言語経路に位置するてんかん焦点・脳腫瘍の切除術前後の経時的な神経心理学的評価(意味認知課題、漢字・かな関連課題)をすすめ症例を蓄積した。言語優位半球側頭葉の前下方領域の切除で、意味記憶障害が出現し、意味性認知症患者と同様の表象失読・失書が出現すること、そして1年以内に機能代償機転から回復に向かうことを明らかにした (国内・国際学会発表、論文準備中)。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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神経心理学
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