研究課題/領域番号 |
26282221
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研究機関 | 国立研究開発法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
南本 敬史 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (50506813)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サル / 意思決定 |
研究実績の概要 |
ある行動をすべきかどうかの判断は、行動した結果得られる報酬価値(ベネフィット)とその行動に費やされるコストとの比較をもとに行われる。本研究は,コスト・ベネフィット比較に基づく行動意欲の制御の神経回路とその仕組みの解明を目的とする。 H27年度は行動課題中の側坐核の活動を阻害することで、コスト・ベネフィット判断への側坐核の役割を調べた。2頭のマカクサルを対象に視覚刺激と価値との連合をもとにした報酬獲得行動を訓練し、頭部に固定具とチャンバーを装着する手術をおこなった。側坐核のターゲット部位にカニューレを挿入し、GABAA受容体アゴニスト(Muscimol)を局所注入し、報酬獲得行動の変化を調べた。その結果、側坐核前部に阻害剤を注入した場合にコスト・ベネフィットのバランス点がシフトする形で行動意欲制御が亢進する変化が生じた。一方、側坐核後部に阻害剤を注入した場合、報酬量によらず報酬獲得行動が障害されることが繰り返し確認された。これらの結果より、側坐核の領域特異的にコスト・ベネフィット判断が実行されていることを示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
側坐核の領域特異的にコスト・ベネフィット判断が実行されていることを示唆する結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
得られた結果を踏まえ、今後は行動課題遂行中及び、関連脳部位制御時の脳活動を記録・解析することで、神経メカニズム解明に迫る。
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次年度使用額が生じた理由 |
イメージング実験を予定していたサルの頭部固定具が脱落したため、実験継続が不可能となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度改めてサルを準備し、実験を実施する予定で、その準備に助成金を使用する。
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