研究課題
1.MRIによる脳機能計測(fMRI)法ではEPIという撮像法が用いられるが、この方法は時間分解能に優れる反面、空間分解能が低いうえに画像の歪みや信号欠損を来たしやすいという大きな欠点がある。そこでマルチショットEPIという改良型の計測法の開発を継続しており、今年度は静磁場の不安定性がもたらす偽像の発生を抑制できる新しい方法を考案し、信号ノイズ比(SNR)と空間分解能に優れるfMRIを実現させた。2.局所超高空間分解能fMRIの実現に不可欠な多チャンネルRF送信(pTx)技術は、複雑なRF波照射条件下での体温上昇の管理が重要な安全上の課題である。そこでMRI画像から温度変化を推定する方法について研究開発を行い、ファントムを用いた実験では0.05度以下の温度変化を捉えることができた。この成果は国際磁気共鳴医学会ISMRM 2019において発表予定である。3.超高空間分解能fMRIデータを皮質のカラム構造や層構造と対比して解析するには、fMRIデータと同じ幾何学的条件をもつ構造画像(画像の歪みなどがfMRIデータと等しい構造画像)が必要である。このような構造画像の撮像法と解析法を提案し、実用化させた。この成果はISMRM 2019および国際ヒト脳機能マッピング学会OHBM 2019にて発表予定である。4.脳内代謝物の定量を目的としたMRスペクトロスコピー(MRS)を7Tにて精度よく、かつ効率的に実施するため、静磁場とRF磁場がともに不均一な条件下で計測法の最適化を実施し、短時間で精度のよいデータが安定的に得られるようになった。5.多様な認知課題遂行下におけるヒト脳活動をfMRIで全脳記録し、認知メタデータを介した中間情報表現を用いて同条件下における脳活動のモデル構築を行った。これにより、新規な認知課題を含む条件下における脳活動の予測、およびデコーディングを行う技術を開発した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 12件)
PLOS ONE
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