研究課題
本研究課題は、現代南アジアにおける法と権利をめぐる社会的動態を分析し、南アジア型法秩序を導出することを目的としたものである。特に、現代インドにおいて人々が法制度やそれが保障する権利をいかに動員し、自らの主張を展開しているのかを当該年度の研究活動を通じて明らかにした。本研究課題を構成する研究代表者および研究分担者の具体的な研究活動として、インド在住のチベット難民によるインド市民権獲得をめぐる運動がもたらすインドおよびチベット難民社会における法制度やその解釈をめぐる種々の変更に起因する社会の動態性の導出、モーディー政権下における司法の政治化に関する法制度の動態的研究、インド北東部における女性たちの権利要求運動や、インド西部で展開された「生きる権利としての知る権利」要求運動や経済政策に起因する土地の権利やその収用をめぐる企業と地元民の係争、インド中部における不可触民のローカルエリート達による権利言説の活用と草の根の地位向上運動など、代表者および分担者が様々な運動に着目し、現代インドにおける法と権利をめぐる社会動態や南アジア型法秩序の導出に尽力した。当該年度における本研究の具体的な成果としては、タイで開催された国際学会におけるパネル組織と発表、そして本研究課題の研究成果となる英文書籍の原稿作成(平成30年度内にPalgrave Macmillanより出版)が挙げられる。特に、後者は本科研プロジェクトの研究成果を国際的に発信するものであり、本研究課題の当初の目的の達成を内外に発信するものとして重要である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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木村真希子ほか編『先住民からみる現代世界-わたしたちの<あたりまえ>に挑む』
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チベット・ヒマラヤ文明の歴史的展開
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現代インドフォーラム
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東京学芸大学紀要人文社会科学系Ⅱ
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