研究課題
エビやカツオ・マグロを追いかけていた私たちは、イワシを中心とした「民の経済」を見落としてきた。村井が書き遺した「ミョルチ(イワシ)をより深く」は、私たちに今後進むべき道を教えてくれた気がする。最終年度のイワシ漁および加工、流通の実態調査は観音寺市伊吹島(香川県)、雲仙市南串山町・佐世保市小佐々町(長崎県)に加えて、松前町・宇和島市愛南町(愛媛県)、九十九里町・大網白里町(千葉県)、柳井市・周防大島町(山口県)、さらに大阪湾のイワシ漁については岸和田・神戸漁協で聞き取り調査を行った。各調査地では文献調査も合わせて行った。李ラインとの歴史関連で松江・浜田(島根県)、境・米子(鳥取県)において、イワシ漁業を中心に聞き取り調査を行った。韓国梅香理(平沢市)、南海岸の屯徳洞(麗水市)、東海岸の襄陽・東海(江原道)では、戦前から現在に至るイワシ漁について聞き取り調査を行った。タイ南部パンガー県(ヤーオヤイ島)では、イワシ漁漁村と煮干し加工業の調査を実施した。インドネシアのプカロンガン(中ジャワ)では、原料不足に直面する水産加工業の対応について、缶詰工場とすり身工場労働者からの聞き取り調査を行った。イワシ、カツオ・マグロの原料不足の深刻度は一層増していた。タイとインドネシアでは水産加工業に関わる新聞記事の収集分析を継続して行った。台湾におけるハタ養殖とその流通、とくに日本以外の市場開拓について屏東県林邉郷・新北市において生産者と流通業者から聞き取り調査を行った。研究分担者による国内・海外調査結果の分析などの情報共有をするための勉強会を3回実施した。また勉強会主催で韓国のイワシ研究者、海から日韓比較研究を試みている研究者と拡大勉強会を開催し、さらに専門家を招聘した研究会を1回実施した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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植民地教育史研究会年報
巻: 19号 ページ: 3-10
東京工業大学「ぐるなび」食の未来創成寄附講座監修、阿良田麻理子編『文化を食べる 文化を飲む:グローカル化する世界の食とビジネス』ドメス出版
巻: - ページ: 67-86
季刊ピープルプラン
巻: 75号 ページ: 4-11
社会と調査
巻: 17 ページ: 38-44
アジア太平洋研究センター年報
巻: 第13号 ページ: 2-8
Georgina Fitzpatrick, Tim M. and Narrelle M. (eds.), Australia War Crimes Trials 1945-51, Brill Nijhoff: Leiden
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