研究課題
本年度の主な研究活動は、①大英博物館における調査、②論文投稿、③研究会、④ニュースレター編集、から成る。①大英博物館における調査では、粘土板に含まれる微化石が上流の岩石に由来する二次化石である可能性が高いと考え、大英博物館に収蔵される粘土板とティグリス川上流に由来する石膏岩の浮彫石板の表面調査を行った。(4月:辻・安間・申・渡辺・クイン)。ニネヴェの南西宮殿第33室から出土した浮彫石板表面に大型の微化石が多数含まれているのが確認され、同じ石板に超微化石も存在している可能性が高まった。より詳しい分析を行うためサンプル採取を申請した(共同研究機関:大英博物館・ロンドン大学UCL)。②粘土板文書や塑像など粘土を使って製作された古代メソポタミアの土製品について、文献学と考古学の立場から国際共同研究を行い、原材料の採取方法と加工プロセスについての考察を論文化し学術誌に投稿した(ブーラーレ・アルタウィール・渡辺)。土製品一般に使われた素材の粘土がどこに由来するかを、文献資料から体系的に検討した初めての研究であり、学習用粘土板の記録に古代メソポタミアで文字を学ぶ生徒が採土場(Clay pit)に出かけて粘土を採取する記録があることに光をあてたことは、粘土板製作プロセスを解明する点から大きな意義がある(共同研究機関:ヴュルツブルク大学・ロンドン大学UCL)。③2018年12月1日に大阪学院大学にて研究会を開催し、本研究課題の過去5年間の活動を振り返り、今後の課題を明らかにした(岡田・小口・辻・安間・申・渡辺)。④2017~18年度の研究活動内容についてまとめ、ニュースレター第9号を編集した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Prince of the Orient: Ancient Near Eastern Studies in memory of H.I.H. Prince Takahito Mikasa, Orient: Journal of Society for the Near Eastern Studies in Japan
巻: Special Issue ページ: ー
Peters, J. et. al (eds) Animals: Cultural Identifiers in Ancient Societies?, University of Munich.
https://www.osaka-gu.ac.jp/php/ecohistory/index.html