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2017 年度 実績報告書

ドゥルーズ研究の国際化拠点の形成

研究課題

研究課題/領域番号 26284004
研究機関大阪大学

研究代表者

檜垣 立哉  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70242071)

研究分担者 上野 修  大阪大学, 文学研究科, 名誉教授 (10184946)
小泉 義之  立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (10225352)
合田 正人  明治大学, 文学部, 専任教授 (60170445)
國分 功一郎  高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (70515444)
千葉 雅也  立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (70646372)
近藤 和敬  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (90608572)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードドゥルーズ / フランス現代哲学 / ドゥルーズ=ガタリ / 現代哲学 / 現代思想
研究実績の概要

昨年度に引き続き、日本のドゥルーズ研究の国際化拠点を形成するためのさまざまな事業をおこなった。まずは、アジアにおいて開催された、ドゥルーズ・イン・アジア・カンファレンス シンガポール国立大学への院生をも含む参加および発表、トロントのドゥルーズ・カンフェランスへの分担者の派遣、インドのドゥルーズ・コレクティヴへの参加と発表、ブラジルリオデジャネイロでおこなわれたASPLF(世界フランス語圏哲学会)への参加、大学において交流があるパリ大10大学・パリナンテール大学(今年度より改称)からの教員招聘によるセミナー実施と学生派遣を中心としたワークショップの開催などがそのおおきな内容である。あわせて、2014年に大阪大学で、檜垣を中心に開催されたドゥルーズ・イン・アジア カンフェランスの成果が、査読付き学会誌に小特集として掲載されるということで、発行は2018年4月になるものの、それに関する一連の査読のやりとり、co-editorとしてのさまざまな作業、最終的な校正チェックなどをおこない、最終原稿をエディンバラ大学出版に提出し、あとは出版をまつだけである。また来年はこの科研の最終年にあたるため、河出書房新社と交渉をおこない、この5年の科研費の成果を公開すべく、申請者の檜垣が編者になることはもとより、科研費の分担者のみならず、過去のこの科研費で開催していた国内ワークショップで発表してもらったさまざまな大学の若手研究者、あるいはこの科研には参加していないもののワークショップに協力いただいた中堅研究者とともに成果報告的な書籍をとりまとめ、出版する算段をつけた。そのほか、海外文献をあたるとともに、申請者としては、ドゥルーズの初期著作であり、代表的な出版物である『ベルクソニズム』の再訳版を共訳で法政大学出版局から刊行できたこともおおきな成果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の当初の目的であったドゥルーズを中心とするフランス思想の国際化という点については、例年通り、ドゥルーズ・」カンファレンスのアジア大会(シンガポール国立大学)、本大会であるトロント大会、インド大会であるドゥルーズ・コレクティヴにおいて、代表者および分担者、さらには関連の院生を派遣をおこなっており、またシンガポール大会およびインド大会では申請者がプレナリーを務め、またアドヴァイザリーボードなどにはいっている。こうしたアジア圏を中心とするフランス哲学研究の縦断的な連携は、今後のグローバル化のなかでの日本の人文学の位置を考えても必要不可欠なことでありその成果は着実にあがっているといえる。またこれらの関連を通じて、国内外の研究者と科研費事業以降の共同研究の可能性や、共著による英語出版物の模索もさまざまにおこなわれており、こうした未来における結果を生み出すことも重要なことと考える。
当初計画していた欧米圏以外の研究者の招聘、とりわけ南アメリカ圏についてはうまくいかなかったがそれと代替するように、申請者自身がブラジルの世界フランス語哲学会に参加し、非ヨーロッパ圏・非アングロサクソン圏の研究者と関連をもてた。また当初の懸案であった、大阪で開かれた国際大会を国際査読雑誌に掲載することは、査読その他の手続きで長い時間がかかったが、すでに最終ゲラの段階になりめどがついた。また来年が最終年であるため最終報告書の出版とそれにともなう大規模な研究会を計画しているがそれに関してもおおよその目処がつけたというこおとがあげられる。英語査読論文の日本のシンポジウムの一部が所収されること、一般販売される書籍の刊行可能性をつけたことは大きな成果とおもわれる。

今後の研究の推進方策

本科研費事業は残り一年となったので以下の事象に傾注し、方向を変えた科研費の申請そのほかにおいてここでの成果をつなげていくことも射程にいれ、具体的な構想を練っているところである。
1)アンヌ・ソヴァニャルグを中心とするパリ第10大学(パリ大学ナンテール)とは本年度中に大学間協定を結び、今後安定したかたちで、本科研で先鞭をつけた日本のフランス哲学のグローバル化への措置を着実に実行する。これは科研費も一部利用した招聘や、院生派遣を行なっているが、そうした地道な共同研究は不可欠なものとおもわれる。
2)ドゥルーズ・カンファレンスはアジア、欧米でおこなわれているが、この科研を通じて相当の派遣発表を行い、またインドで創設されたドゥルーズ・コレクティヴにも恒常的な参加をおこなっている。これらについてはこの科研を軸に今後も継続しとくにアジアケントの連携をいままで以上に推し進める。
3)すでに記述したように、査読雑誌であるDeleuze Studies(エジンバラ大学出版)に大阪大会のシンポジウムの一部あ査読論文として掲載される最終段階にきている。これを軸に今後とも、国際査読雑誌への日本の人文学の発表を協力に推し進めたいと考える。あわせてフランス語の雑誌、他のアングロサクソン系の雑誌への投稿も企画されている。
4)最終年であるため、上述のように河出書房新社よりとりまとめの論集を企画している。実質的には分担者はすべて、またこの科研のワークショップで発表してくれた院生の論考、海外の論考の収録を考えおり、そのために合同発表会を2、3日、東京と大阪で公開で開催する。これはこの科研5年間の成果の総まとめの意味をもつものであり鋭意実施し、出版にいたることを試みたい

次年度使用額が生じた理由

次年度は最終年であり、比較的おおきな集会を開くこと、成果報告書の作成のお金がかかること、などを考慮してある程度の金額を残したものでる

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] 後期資本主義のなかの哲学 中野幹隆とその時代(1)2018

    • 著者名/発表者名
      檜垣立哉
    • 雑誌名

      『多様体』月曜社

      巻: 1 ページ: 321-331

  • [雑誌論文] 「ラディカルな有限性──思弁的実在論の一〇年とその後」2018

    • 著者名/発表者名
      千葉雅也
    • 雑誌名

      『現代思想』

      巻: 46-1 ページ: 98-111

  • [雑誌論文] ヴィヴェイロス・デ・カストロにおけるドゥルーズ=ガタリ2017

    • 著者名/発表者名
      檜垣立哉
    • 雑誌名

      『思想』岩波書店

      巻: 1124 ページ: 6.14

  • [雑誌論文] 西田とバロック哲学2017

    • 著者名/発表者名
      檜垣立哉
    • 雑誌名

      京都大学日本史専修起用

      巻: 14 ページ: 84-99

  • [雑誌論文] 「傷痕と再生」2017

    • 著者名/発表者名
      小泉義之
    • 雑誌名

      『現代思想』青土社

      巻: 6月臨時増刊号 ページ: 188-194

  • [雑誌論文] A Philosophy of ‘‘Death Poems’’2017

    • 著者名/発表者名
      Masato Goda
    • 雑誌名

      The 9th CISMOR Conference on Jewish Studies(Doshisha University)

      巻: 9 ページ: 69-74

  • [学会発表] The Power of Metals: The Materialism and Non-humanism of Deleuze and Guattari2018

    • 著者名/発表者名
      HIGAKI,Tatsuya
    • 学会等名
      Deleuze Collective in India, マドラス大学
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Sur l’imagination chez Gilles Deleuze2018

    • 著者名/発表者名
      HIGAKI,Tatsuya
    • 学会等名
      ASPLF (フランス語圏国際哲学会)ブラジルリオデジャネイロ
    • 国際学会
  • [学会発表] Asignifying Rupture and Radical Finitude2018

    • 著者名/発表者名
      Masaya Chiba
    • 学会等名
      Shinso Ito Center for Japanese Religions and Culture, University of Southern California,
  • [学会発表] Deleuze, Nishida, Differential Philosophy2017

    • 著者名/発表者名
      HIGAKI,Tatsuya
    • 学会等名
      Deleuze Studies in Asia Conference, シンガポール国立大学
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Shozo Omori and the ‘Place’ of Appearing2017

    • 著者名/発表者名
      HIGAKI,Tatsuya
    • 学会等名
      Euporean network of Japanese Philosophy,Paris
    • 国際学会
  • [学会発表] スピノザと人間ならざるもの2017

    • 著者名/発表者名
      上野修
    • 学会等名
      山口大学哲学研究会
  • [学会発表] スピノザの真理概念2017

    • 著者名/発表者名
      上野修
    • 学会等名
      西日本哲学会第68回大会
  • [学会発表] 西田幾多郎と「模倣」の問題――タルドへの小さな言及の破門2017

    • 著者名/発表者名
      合田正人
    • 学会等名
      西田哲学会
  • [学会発表] The World of the Middle Voice2017

    • 著者名/発表者名
      Koichiro KOKUBUN
    • 学会等名
      10th International Deleuze Studies Conference, Toronto,
  • [図書] Mecanique et mystique,Les deux sources dans le Begsonisme de Deleuzeを担2018

    • 著者名/発表者名
      Ed,Abiko
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      OLMS
    • ISBN
      978-3-487-15654-5
  • [図書] 『ベルクソニズム』2017

    • 著者名/発表者名
      ジル。ドゥルーズ 訳者 檜垣立哉・小林卓也
    • 総ページ数
      175
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      978-4588010637
  • [図書] ベルクソン『物質と記憶』を診断する――時間経験の哲学・意識の科学・美学・倫理学への展開2017

    • 著者名/発表者名
      平井・安孫子・藤田編
    • 総ページ数
      384 檜垣は分担99-111
    • 出版者
      水声社
    • ISBN
      978-4906917730
  • [図書] 『あたらしい狂気の歴史――精神病理の哲学』青土社、2017

    • 著者名/発表者名
      小泉義之
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      青土社
    • ISBN
      978-4791770366
  • [図書] 『入門ユダヤ思想』2017

    • 著者名/発表者名
      合田正人
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      978-4480069795
  • [図書] 『勉強の哲学──来たるべきバカのために』2017

    • 著者名/発表者名
      千葉雅也
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      文藝春秋
    • ISBN
      978-4163905365
  • [図書] 『中動態の世界──意志と責任の考古学』2017

    • 著者名/発表者名
      國分功一郎
    • 総ページ数
      330
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4260031578

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公開日: 2018-12-17  

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