研究課題/領域番号 |
26284010
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
谷中 信一 日本女子大学, 文学部, 教授 (20230253)
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研究分担者 |
大西 克也 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (10272452)
名和 敏光 山梨県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30291868)
末永 高康 広島大学, 文学研究科, 准教授 (30305106)
小寺 敦 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (30431828)
池澤 優 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (90250993)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中国哲学 / 中国史 / 中国語学 / 宗教学 / 中国出土資料学 |
研究実績の概要 |
今年度のサブテーマとして「出土資料を通した中国文献の再評価」を掲げ、以下の項目において実績を上げた。 1,定例研究会開催(計6回):①「戰國秦漢「禮」思想と『荀子』」(佐藤將之 台湾大学教授)②「清華簡『繋年』における争点若干について」(小寺敦 分担者) ③「古代中国宗教研究における宗教学の立ち位置―「宗教」概念論・ポストセキュラリズム・死者性・呪術概念―」(池澤優 分担者)④「成功大学及び台湾大学訪問調査報告」(谷中 代表者) ⑤「燕国陶文に見られる級別監造について―長細形陶文印跡を中心に」(栗躍崇 大東文化大学博士後期課程学生)⑥「上海楚簡『卜書』を始めとして」(清水浩子 大正大学講師)⑦「岳麓秦簡中的幾個令名小識」(陳松長 湖南大学教授)⑧「清華簡『楚居』に関する試論」(柏倉優一 東京大学修士課程学生) 2,学術交流活動(8/21-25):台湾の国立成功大学(台南)と中央研究院(台北)を訪問。成功大学では谷中・大西が、中央研究院では名和・末永がそれぞれ問題提起をした後、活発な学術交流を行った。 3,シンポジウム開催:「出土資料を通した中国文献の再評価」のタイトルの下、1.坊記礼説考(末永高康 分担者)、2.出土戰國秦漢文獻與《孔子家語》成書研究(Wu Kechang 復旦大学副研究員)、3.伝世文献から見た楚簡における「喪」と「亡」について(大西克也 分担者)、4.近年出土戰國文獻給古史傳説研究帶來的若干新知與反思(郭永秉 復旦大学副教授)の研究発表の後、《総合討論》《情報交換会》を開催。 4,対外発信:刊行物としての『出土文献と秦楚文化』第10号(総116ページ)の刊行及びホームページの維持運営。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「Multi Disciplinary Approachによる戦国秦漢期新出土資料研究」を研究課題として掲げた我々は、初年度は「辨僞学の確立」をサブテーマに、続く第2年度「非発掘簡の資料価値の確立」をサブテーマに、そして3年目の今年度は「出土資料を通した中国文献の再評価」をサブテーマに、それぞれ掲げて研究を推進してきた。その間、国内のみならず、中国・台湾の他、欧米の研究者とも緊密な連絡・連携を持ちつつ、常に研究の充実を図るとともに、その成果をホームページあるいは刊行物によって発信してきた。 その成果は、すでに様々な形で現れていると言える。具体的に言えば、昨秋、米国プリンストン大学との共同研究の提案が先方からなされたことである。これには出土資料研究の一層の国際化、グローバル化の必要性を痛感している我々にとっては願ってもない提案であって、早速取り組むこととした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度を迎えるに当たり、これまでの総仕上げとして、主要テーマであった「Multi Disciplinary Approachによる戦国秦漢期新出土資料研究」をテーマに掲げ一層の推進を図る。 具体的には、1.前年度同様に定例研究会を開催して若手研究者を育てつつ、研究の深化を図ること。2.米国・プリンストン大学を訪問し具体的な学術交流を行う。3.2018年3月に国際学術シンポジウムをメインテーマを掲げて開催する。この場合、米国の他、予算が許す限りに於いて欧州からも研究者を招聘して行うこととする。4、科研報告書を兼ねた論文集を刊行する。(なお、『出土文献と秦楚文化』は休刊し、替わって東京大学東洋文化研究所機関誌『東洋文化』に論文を投稿することとする。)などを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していたよりもページ数が少なく、このために雑誌刊行費が予算を下回ることとなったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度に当たり、これまでの4年間の研究成果報告集を兼ねた論文集刊行に振り向ける予定。
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備考 |
本ホームページは、谷中信一(代表者)が行った科研研究基盤B「新出土資料を通してみた古代東アジア世界の諸相-漢字文化圏の中の地域性-」(2008.4-2011.3)以来今日まで、維持運営している。
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