• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

基礎資料に基づく南方熊楠思想の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26284017
研究機関龍谷大学

研究代表者

松居 竜五  龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (40238952)

研究分担者 畔上 直樹  上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20315740)
橋爪 博幸  桐生大学短期大学部, 生活科学科, 講師 (40412978)
奥山 直司  高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
千本 英史  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (50188489)
安田 忠典  関西大学, 人間健康学部, 准教授 (90388413)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード南方熊楠 / 民俗学 / 生態学 / 真言密教 / 鶴見和子 / 英文論考 / ノーツ・アンド・クエリーズ
研究実績の概要

2014年8月6日・7日・8日に和歌山県田辺市の南方熊楠顕彰館において研究発表会をおこなった。この研究発表会では、奧山を中心として「南方熊楠と真言密教」をテーマとしたシンポジウムを開催し、この成果は2015年3~5月の顕彰館における同題の展観に活用されている。資料調査報告として「田辺抜書」「ロンドン抜書」「アメリカ時代のノート」に関する発表を、松居、千本、およびRA二名がおこなった。自由論題においては、発表者を一般公募し、畔上が司会に当たり、橋爪などが発表した。研究動向のセッションでは、松居が英語圏での関連研究状況を報告し、他に中国語圏・ドイツ語圏での状況に関しても報告がなされた。この研究発表会の成果に基づいて、2015年3月に『熊楠研究』第9号を刊行した。
2014年12月には、飯倉照平監修、松居竜五他訳『南方熊楠英文論考〔ノーツアンドクエリーズ〕誌篇』(集英社)を刊行した。この著作においては、南方熊楠の300篇以上の英文論考の翻訳だけでなく、それらの論文が書かれた経緯や日本語著作との関連についての詳細な研究を付し、熊楠の活躍の舞台であったフォークロアに関する情報交換誌Notes and Queriesの英国内外における研究・文化史上の位置づけをおこなってもいる。これに関連して、『コトバ』2015年春号として特集「南方熊楠「知の巨人」の全貌」が刊行され、松居およびRA二名が寄稿した。
また『鶴見和子の南方熊楠研究』(藤原書店)が、松居およびRA一名などによって編集され、2015年6月に刊行される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

南方熊楠関係の研究会を組織し、50名程度の関連研究者の参加を得ることができた。また、この研究会の成果に基づいて学術誌『熊楠研究』を復刊した。今後、毎年こうした研究会の開催と学術誌の刊行をおこない、南方熊楠顕彰館における展観やシンポジウムとも連動しながら研究を進めていく体制を整えることに成功した。
また、長年の懸案であった南方熊楠の英文論考の全訳を成し遂げることができた。これは今後の研究における基礎資料となるものであると考えられる。「アメリカ時代のノート」「ロンドン抜書」『田辺抜書」などの重要な一次資料に関しても、調査・研究を一段階進めることができた。
『コトバ』の特集号などにより、研究内容の一般読者への還元もある程度おこなうことができた。

今後の研究の推進方策

今年度に確立された8月の研究会から3月の『熊楠研究』刊行へという研究成果発表の流れを継続し、規約などを定めた上で、より確実なものとしていく。この体制の中で、一次資料の調査・刊行と研究の多角的な広がりを促進していくことになる。そのために、研究会において『熊楠研究』の合評会をおこなうなどの方法を検討する。
さらに研究会と南方熊楠顕彰館が連動することで、研究成果の一般への還元を大きなものとしていく。

次年度使用額が生じた理由

研究計画に基づき執行したが、出張の日程短縮等で少額の残が生じた。

次年度使用額の使用計画

出張費などの不足分に補填

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 南方熊楠蔵書中のハーバート・スペンサー著作に見られる書き込み2015

    • 著者名/発表者名
      松居竜五
    • 雑誌名

      熊楠研究

      巻: 9 ページ: 10-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] まぼろしの『南方熊楠全集』を構想する2015

    • 著者名/発表者名
      松居竜五
    • 雑誌名

      コトバ

      巻: No.19 ページ: 30-35

  • [雑誌論文] 南方熊楠と『ポピュラー・サイエンス・マンスリー』2015

    • 著者名/発表者名
      橋爪博幸
    • 雑誌名

      熊楠研究

      巻: 9 ページ: 6-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 作られた「熊楠伝説」2015

    • 著者名/発表者名
      田村義也
    • 雑誌名

      コトバ

      巻: No.19 ページ: 86-91

  • [雑誌論文] 直筆で読む熊楠2015

    • 著者名/発表者名
      志村真幸
    • 雑誌名

      コトバ

      巻: No.19 ページ: 36-45

  • [雑誌論文] 海辺のクマグス 番外編2015

    • 著者名/発表者名
      安田忠典
    • 雑誌名

      熊楠works

      巻: 45 ページ: 40-41

  • [雑誌論文] 海辺のクマグス第6回2014

    • 著者名/発表者名
      安田忠典
    • 雑誌名

      熊楠works

      巻: 44 ページ: 56-57

  • [図書] 南方熊楠英文論考〔ノーツアンドクエリーズ〕誌篇2014

    • 著者名/発表者名
      飯倉照平 松居竜五 田村義也 志村真幸 南條竹則 中西須美 前島志保
    • 総ページ数
      891
    • 出版者
      集英社

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi