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2015 年度 実績報告書

近代日韓の洋楽受容史に関する基礎研究―お雇い教師フランツ・エッケルトを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 26284018
研究機関東京大学

研究代表者

ゴチェフスキ ヘルマン  東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00376576)

研究分担者 藤井 浩基  島根大学, 教育学部, 教授 (50322219)
塚原 康子  東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (60202181)
酒井 健太郎  昭和音楽大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (60460268)
大角 欣矢  東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90233113)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードエッケルト / 軍楽隊 / 日本の西洋音楽受容史 / 韓国の西洋音楽受容史 / プロイセン / ドイツ / 管弦楽 / 明治期
研究実績の概要

27年度の研究活動は28年3月12日に開会した駒場博物館の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展「近代アジアの音楽指導者エッケルト――プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」」の準備作業に集中した。具体的には、先行研究の整理とデータベース化、エッケルトに関わる詳細な年表と家系図の作成、展示する文献の選択、手書きの歴史資料(楽譜資料を含む)の翻刻・浄書、外国語文献(主にドイツ語、韓国語、英語の一次資料)の日本語訳作成を行い、研究代表者と分担者とで展覧会の解説パネル(全80枚程度、それぞれ日独二カ国語で記載)と展示物のキャプションを分担作成した。それにあたって数回の集まりやメール会議を実施した。以上のことは新しい研究というよりもこれまでの研究成果の確認や整理、または研究者同士の情報交換の役割を持っていたと言えるが、それによって新たに多くの疑問が浮き彫りになった。それは今後の課題である。
また27年度に行った調査(研究代表者と大角分担者の海外調査を含む)でも数多くの新発見があった。一例として、ポーランドにおけるアーカイヴ調査は主にエッケルトの家系についての未だ明らかにされていなかった詳細な情報の収集を目的としたものであったが、実際にはエッケルトの結婚届けや長女や次女の出産届けからエッケルトの職歴や生活環境について期待もしていなかった情報が得られ、そこから新しい調査への道が開かれた。例えばエッケルトとアウグスト・フーフの関係(エッケルトの義理の兄であったこと、またフーフがナイセでエッケルトの同僚だったこと)が証明された。フーフはシレジアやポーゼンで音楽家として目立つ活躍をしていたが、今回の調査結果からは、彼がアジアとの文化交流でも重要な役割を果たした可能性を考えなければならない。実際にはその後この推測を裏付ける文献も新たに見つかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

展覧会の開始を元々計画していた28年度から27年度に繰り上げたので、それに必要な作業を予定より早く行った。

今後の研究の推進方策

28年度には27年度から進行中の展覧会でさまざまの関連企画があるが、そのなかでは特に28年5月28日の国際シンポジウムが中心となる。本プロジェクトの分担者全員と数人の協力者が参加し、現時点までの研究をまとめ、反省し、進行中に浮き彫りになった新たな研究課題に関して具体的な研究計画を立てる。特にドイツやポーランドにおけるアーカイヴ調査を続ける予定である。
28年6月26日に展覧会が終わって後、展覧会の業績をネットに公開する予定である。国際会議での発表なども計画している。

次年度使用額が生じた理由

2016年3月から始まった展覧会と関連企画に諸雑費があり、そのうちどれが2015年度、とれが2016年度に発生するかが予想しにくかったため、基金の前倒し申請で少し多目の金額を前倒し申請した。その一部をまた次年度に繰り越すことになった。

次年度使用額の使用計画

5月28日に企画されている国際シンポジウムの雑費(RA雇用等)に使用。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 海軍軍楽長・吉本光蔵と日比谷公園奏楽2016

    • 著者名/発表者名
      塚原康子
    • 雑誌名

      銀座文化研究

      巻: 10 ページ: 41~58

  • [雑誌論文] フランツ・エッケルトがいた頃の文部省音楽取調掛(明治16~19年)――エッケルトの功績を検討するために2016

    • 著者名/発表者名
      酒井健太郎
    • 雑誌名

      音楽芸術運営研究

      巻: 9 ページ: 81~95

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 音楽家クラウス・プリングスハイムの晩年の教育活動――田村徹氏へのインタビューをもとに2016

    • 著者名/発表者名
      酒井健太郎、吉原潤
    • 雑誌名

      音楽芸術運営研究

      巻: 9 ページ: 73~80

    • 査読あり
  • [学会発表] Allerhand Lustiges aus dem Tokio Gesang-Verein ――1880年代の 東京合唱協会から見た在東京ドイ ツ人の男性社会生活2015

    • 著者名/発表者名
      Hermann Gottschewski
    • 学会等名
      日本音楽学会
    • 発表場所
      青山学院大学(東京都渋谷区)
    • 年月日
      2015-11-15

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公開日: 2017-01-06  

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