研究課題/領域番号 |
26284024
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
佐野 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (60178811)
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研究分担者 |
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40313192)
加須屋 誠 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (60221876)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 美術史 / 仏教説話画 / 近世物語絵画 / 古典知 / フレーム / 物語表現 / 話型 / 日本美術 |
研究実績の概要 |
28年度は、国際シンポジウム2回、科研研究会1回と海外調査5回を行った(米国3回、英国1回、仏国1回)。第1回フレームシンポジウムの論集刊行の編集作業及び、海外調査作品の画像整理に努めた。米国調査では、今まで未調査だった中西部の美術館を中心に作品調査を行い、在米の中近世物語絵画の詳細なデータを得るとともに、所在情報マップを作成した。研究者を対象とする従来の研究成果報告会の実施に加え、7月29日に中島記念国際交流財団の助成を受け、国際シンポジウム「世界の中の日本美術―過去から未来へ―」を主催した。留学生を中心に大学生・一般にも公開したこのシンポジウムでは、海外の美術館キュレーターや彬子女王を招聘しての講演と中近世美術に関するワークショップを構成し、その成果をシンポジウム報告書として刊行した。さらに教育画劇から、小中学生を対象とした日本美術の入門書『はじめて出会う日本美術』の監修を行うなど、科研の研究活動を通して得た成果の一部を広く還元できたことは、28年度の活動の中でも特筆すべき点であろう。 <国内調査>岡山県立美術館、林原美術館、岡山シティミュージアム、八王子富士美術館 <海外調査>米国の美術館:ヒューストン、キンベル、ミネアポリス、ネルソンアトキンス、デトロイト、クリーブランド、シカゴ、シンシナティ、インディアナ、ヴァージニア、メトロポリタン等、及びイエール大学美術館、インディアナ大学美術館 <その他>JADA出品作品、NYの古美術ディーラー所蔵品、英国ボナムス社、個人コレクター所蔵品等 <シンポジウム・研究会>7月29日「世界の中の日本美術」(参加者284名)7月31日、8月1日 国際シンポジウム「フレームの超域文化学II」(研究報告者17名、参加者のべ150名)3月26日 研究会(研究報告者6名、参加者29名)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作品調査は順調に進んでおり、その成果報告についても国際シンポジウムを年度内に2回行った。国際シンポジウムの成功は本科研を遂行する上で、反響も大きく新知見も深まり成果を得ることができた。28年度内に刊行を予定していた『フレームの超域学』の編集作業が遅れているので、鋭意進めていきたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り、中近世の物語絵画作品調査を進め、解析を行う。また本科研活動において蓄積した作品情報の整理及び公刊に向けての準備を始める。特に源氏絵については、所在確認をまとめたデータベース作成を引き続き進める。また、第2回フレーム国際シンポジウムの論集刊行の準備も始める。本科研は最終年度を迎えるため、後半に科研研究報告会を設け成果報告を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に、研究成果の総括的な報告会としてのシンポジウム”Frames and Framings in a transdisciplinary perspective Ⅲ”を計画しているため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由で、招聘旅費や会議費として予算執行を予定している。
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