研究課題
本研究の目的は、2人以上の話者による対話において、(1)複数の発話からなる「発話連鎖」を体系的に記述するためのアノテーション手法を開発し、(2)「発話連鎖」が構成される認知・相互行為過程を実データの分析に基づいてモデル化することである。本年度は以下のことを行なった。・あいづちやフィラーといった発話の微細な時間構造に関わる側面と、多人数会話における参与役割という社会的な側面を考慮した分析を行なった。また、後者については、分析結果に基づいて、発話理解に関する従来モデルについて自然な日常環境の複雑さを考慮する観点からの批判的検討を行なった.・前置き要素を伴う応答発話のデータを拡張子、分析を深化させた。「わからない」という自身の理解状態を表す発話など、直接的に相手に働きかけない発話が会話の大局構造に即した相手の関与を促しうることを示した。・「連鎖に属さない発話」のケーススタディとして、目の前で産出されている発話に対して受け手の地位を持たないための振る舞いやそれを生じさせる要因についての分析をとりまとめた。また、ある発話を直前発話への反応ではなく連鎖上同じスロットの発話として位置づけるプラクティスとして、会話における協調的な(割り込みと認識されない)発話の重なりの分析を行なった。・説明場面において聞き手の認知状態がどのような手がかりに現れ、話し手がそれをどのように利用しているかを明らかにするため、説明場面コーパスを収録し、発話連鎖に関連する行動の分析を行なった。・局所・中位の発話連鎖のアノテーション手法を日常会話に適用できるよう改良した。その有効性を確認するため、新規に収録した日常場面の会話に対して試行した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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