研究課題
最終年度にあたる2017年度には、次の点で研究が進展した。まず幼児の音韻障害においては、上田が昨年度からの懸案であった難読症と音韻の関係の一面をプロソディーから考察した。難読症児と正常発達児に語の復唱検査をおこない、アクセントの正誤から両グループの結果を比較したところ、前者が統計的に有意義な低さを示した。高低アクセントと難読症との関係をうかがわせた。松井は誤発音の生理的研究を進め、EPGを用いた調音的特徴の調査が誤発音の解明に効果的であることを立証し、さらにC/Dモデルなどの理論との関係を考察している。外国語訛りの研究では、 郡は流暢な発音の獲得という観点からの研究を継続した。非母語話者(上級)が読みあげた文章について,単語アクセントの適切性と,文内イントネーションの付け方の適切性がじょうずさの判断にあたえる効果を合成音声の聴取実験によって検討した。結果として,アクセントと文内イントネーションはどちらもじょうずな読みに聞こえるための要因であることが確認された。ただしアクセントと文内イントネーションの修正による流暢性向上効果は,どの部分をどのように直すかしだいであることもわかった。また安田は主にこれまでの生成実験で得られた音声データの分析と最終的な総まとめをおこなった.ドイツ語学習における英語の転移と干渉に関して,音声習得面の発音能力について明らかにするために,引き続きドイツ語学習者を対象にした発話実験を行った.さらに田中はイタリア語から日本語に入った借用語における長母音と二重子音の受け入れパターンを分析し、後者については知覚調査を行い、誤発音との関連性を明らかにした。さらに、音節量の受け入れパターンについて、言語間の対照を行い、理論的な定式化を試みた。研究期間は終了したが、最終目標である逸脱発音の普遍性に向けて、総括をおこないたいと考えている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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言語文化研究
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大阪大学言語文化学
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ことばを編む
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音声言語の研究
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