研究課題/領域番号 |
26284067
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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研究分担者 |
Backley Phillip 東北学院大学, 文学部, 教授 (20335988)
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 回帰性 / 併合 / 音韻部門 / 極小論 / 依存関係 / 前後関係無指定 / エレメント理論 / 語彙化 |
研究実績の概要 |
本研究は、極小論に立脚する統語演算系の特性である回帰的併合を、音韻特性を語彙化する際にも見出すことで、音韻部門もFLNの一部であることの可能性を探求するものである。加えて、音韻部門を構成する超分節表示と分節内表示に共通する高次な普遍的範疇や普遍的原理の解明を試み、それらが、統語部門における極小モデルと理論的に整合性を呈するかどうかを検討する研究でもある。 以上を遂行するにあたり、研究全体を以下の3種類の部門(A部門: 語彙部門と音韻過程の関係の解明、B部門:言語学における回帰性の探求、C部門:音韻素性の解明と音韻構造の構築)に分け、それぞれの研究課題に関する文献を調査し、それらの理論上の争点を明確にする。その上で、極小論の研究指針に合致するモデルの構築を行った。 平成27年度も、研究実施計画に沿って、各部門ごと、(1)先行研究の調査し、かつ(2)検証すべき仮説を決定した。そして、各部門での研究進捗状況および成果を詳細に分析した上で、本年度の段階で考案した回帰的併合を呈する音韻部門(分節内(メロディ)構造、および、音節(プロソディ)構造)の妥当性を検討するための言語分析およびその研究成果は、国内外において権威のある出版機関から10編の論文としてまとめられ出版された。また、国内外で開催された15の国際学会やワークショップにおいて報告された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度同様,今年度も研究遂行に必要な関連文献やデータの入手が予定通り行われ、それらを丹念に検討・分析した結果をもとに回帰的併合を有する音韻モデルを(不完全ではあるが)考案することができた。また、研究成果を国内外の学会や研究誌で発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究を遂行するにあたり、これまで通り、(1) 研究課題専用のウェブサイトに活動状況を公開するとともに、外部からのフィードバックに迅速に対応できるようにする。次に、(2)回帰的併合について論じている文献の収集を行い、それらの内容を丹念に検討する。そして、(3)同様の関心を持つ国内外の研究者から情報を収集し、積極的に意見の交換を行う機会を設ける。さらに、(4) 研究成果を英語でまとめて、国内外の学会や学会誌で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度開催予定であった国際ワークショップが、他の学会との兼ね合いで、平成28年度開催となった。これを受け、そのワークショップで使用予定であった人件費及び謝金を平成28年度に使用することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度開催予定の国際ワークショップ運営上に必要な人件費及び謝金として使用予定。
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備考 |
英語タイトル:Phonological recursion and the place of phonology in the Minimalist Program
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