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2017 年度 実績報告書

『類聚三代格』の史料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26284099
研究機関東北学院大学

研究代表者

熊谷 公男  東北学院大学, 文学部, 名誉教授 (70153343)

研究分担者 小倉 慈司  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20581101)
堀 裕  東北大学, 文学研究科, 准教授 (50310769)
川尻 秋生  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)
遠藤 慶太  皇學館大学, 文学部, 准教授 (90410927)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード律令格式 / 校訂 / 翻刻 / 写本 / 金沢文庫本 / 前田家本
研究実績の概要

今年度は、昨年度の繰り越し分を含めて3回の研究会をおこない、写本の研究報告、各巻担当者による校訂作業と問題点の報告、出版社の担当者による出版に向けての注意点・問題点の提示などをおこない、校訂テキストの刊行に向けての準備を進めた。
写本の研究報告として、一つは前田家本に散見する朱点の施されていない格が後世追補されたものである可能性が考えられるという報告があり、もう一つは金沢文庫本系統の写本である水谷川家本と鷹司家本の校注を金沢文庫本の原本である東山御文庫本と比較した結果の報告がなされた。
また、昨年度に引き続いて校訂作業の各巻の担当者が、それぞれの担当巻について校訂作業を進めながら問題点を出し合い、校訂作業の方針を具体的に定めていくことを中心に共同研究を進めた。その中で、巻三については中御門家本がもっとも金沢文庫本原本に忠実な写本であることが判明したので、これを底本にすることにした。またこれに関連して金沢文庫本の原本が失われ、その転写本のみが残っている他の巻(巻一・七・八)についても底本の選定についてなお検討していく必要が生じた。これは次年度の重要課題としたい。また翻刻にもっとも問題のある巻四に関しては、底本の前田家本を忠実に翻刻するほか、その闕失部分を狩野文庫本、『令集解』、『政事要略』等で可能な限り復原し、取意文のみ知られる場合は、それを掲げる方針をとることにする。
さらに、テキスト刊行の出版社が決定したので、第3回の研究会から出版社の担当者も研究会に同席してもらって、出版に向けて判型、版組み、刊行計画等について具体的な打合せもはじめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本科研の目的は『類聚三代格』の新たな校訂テキストの刊行であるが、昨年度までは校訂と翻刻(とくに巻四)の方針を定めることを最大の目標として研究会をおこなってきた。そうしたなかで出版社が決定し、刊行に向けて具体的な検討が本年度からはじまったことの意義はすこぶる大きい。科研の期間中の刊行は困難であるが、期間中に具体的な刊行計画を策定するめどは立ったので、これまでやや遅れ気味であったが、それを取り戻すことができた。

今後の研究の推進方策

最終年度である次年度は、問題が出てきた巻一・七・八の底本を確定し、さらに各巻の担当者が校訂作業の中間報告をおこなうなかで、校訂方針の細部を固めていきたい。さらにテキストの刊行に向けて、出版社の担当者と打合せを重ねながら判型、版組み、テキスト原稿の脱稿時期等を明確にして、刊行への準備を軌道に乗せたい。
ただ実際のテキスト刊行は、3分冊で2020年ごろから2年に1冊になる見通しなので、改めて科研を申請して、少なくとも全巻刊行にめどが立つまでは科研を継続したい。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『延喜式』写本系統の基礎的研究―巻五を中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      小倉慈司
    • 雑誌名

      『日本古代史の方法と意義』

      巻: 0 ページ: pp.192-217

  • [雑誌論文] 『延喜式』土御門本と近衛本の検討―巻五を中心に―2018

    • 著者名/発表者名
      小倉慈司
    • 雑誌名

      『史料・史跡と古代社会』

      巻: 0 ページ: pp.164-192

  • [雑誌論文] 使者と文書2018

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 雑誌名

      『日本古代史の方法と意義』

      巻: 0 ページ: pp.111-127

  • [雑誌論文] 九世紀における唐制受容の一様相―中世文書様式成立の史的前提―2018

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 雑誌名

      日本史研究

      巻: 667 ページ: pp.1-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『類聚三代格』における格の追補―尊経閣文庫本の朱訓点の検討から―2018

    • 著者名/発表者名
      新井重行
    • 雑誌名

      『史料・史跡と古代社会』

      巻: 0 ページ: pp.193-215

  • [雑誌論文] 古代東国の在地社会と仏教―村落寺院・開発・双堂―2017

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 雑誌名

      民衆史研究

      巻: 93 ページ: pp.31-50

  • [雑誌論文] 分付受領と国司2017

    • 著者名/発表者名
      中村憲司
    • 雑誌名

      史観

      巻: 176 ページ: pp.1-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国司官長の再検討2017

    • 著者名/発表者名
      中村憲司
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 893 ページ: pp.1-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国史編纂と中国史書2017

    • 著者名/発表者名
      遠藤慶太
    • 雑誌名

      『日本古代文化交流史入門』

      巻: 0 ページ: pp.410-420

  • [学会発表] 古代文献史料研究の課題―『延喜式』を中心に―2017

    • 著者名/発表者名
      小倉慈司
    • 学会等名
      九州史学研究会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 陸奥国分寺・国分尼寺の成立と展開―文献資料と考古学資料―2017

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 学会等名
      仙台市富沢遺跡保存館(地底の森ミュージアム)主催講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 九世紀における唐制受容の一様相―中世文書様式成立の史的前提―2017

    • 著者名/発表者名
      川尻秋生
    • 学会等名
      日本史研究会大会(個別報告)
  • [学会発表] 年号と漢語の権威2017

    • 著者名/発表者名
      遠藤慶太
    • 学会等名
      国立歴史民俗博物館国際シンポジウム 年号と東アジアの思想と文化
    • 国際学会
  • [図書] 青森県史通史編1 原始・古代・中世2018

    • 著者名/発表者名
      小口雅史・関根達人・七海雅人・柳原敏昭・熊谷公男ほか
    • 総ページ数
      788p
    • 出版者
      青森県

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公開日: 2018-12-17  

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